『心を高める、経営を伸ばす』(2012_9月号)

『心を高める、経営を伸ばす』『心を高める、経営を伸ばす』

 

 

 

アウトソーシング事業部  井上日登美

先頃、TV東京の『カンブリア宮殿』という番組に、9月19日に再上場する日本航空の名誉会長であり、京セラ名誉会長の稲盛和夫さんが出演し、JAL再建についてのお話をされていらっしゃいました。山形では放映されませんでしたが、インターネットの動画サイトで観ることが出来ます。

稲盛さんの行った二大改革は、「アメーバ経営」という部門別採算制度の導入と、「JALフィロソフィ」と呼ばれる、社員が共有すべき意識、価値観、考え方の浸透です。稲盛さんの簡潔な言葉と、その意味がしたためられた手帳を配布し、社員3万人が研修を受講し、やがて「一人ひとりがJAL」である、との意識を全社員が持つようになります。

若い整備士が「自分達から何かを変えていかなければ僕らの未来はない」と熱く語り、客室乗務員の高田さんは「初めのうちは、私一人が頑張ってもこの大きな会社がどれだけ変われるのかと疑心暗鬼で、所詮一人では微力だし、ある意味本気ではなかった。しかしお客様から『あなたがJALを立て直すんですよ』と手紙をもらって、腹をくくれた気がする。お客様に恩返しをしようと心に誓いました」と、心のこもったサービスをしています。

みんなの意識を最も変えたのは稲盛会長の真摯な姿でした。今年80歳というご高齢にもかかわらず、片時も休まずに仕事をされる姿を見て、日本航空の植木社長は「誰にも負けない努力を50数年ずっと続けてこられた方、その背中を見ると付いていかなければと思う」とコメントし、対談した作家の村上龍さんは、「日本で最後に残った経営の神様」とお話が出来て幸運だった、と結んでいました。

あさひ会計では、稲盛さんの『心を高める、経営を伸ばす』という本を毎日の朝礼で輪読しています。この本はもともと、平成元年に京セラの社員教育のためにと企画されたそうですが、稲盛さんご自身が、仕事で苦しみ、人生で悩み、真剣に考える中で学び取ってこられた普遍的な事を、後に続く若い人の為にと纏められています。

私たちは14章106節からなるこの本を毎朝1節ずつ朝礼当番が音読し、感想を発表しています。1度読み終えるとまた最初から繰り返し、今6度目になりました。

当番の日は何を話そうかとドキドキし、「経営」についての頁では、経営者の立場であったらどうするだろうかと、想いを巡らしながら感想を述べています。すうっと心に入ってくる時と、そうでない時と、その日その日の心の状態を映す鏡のようであり、また不思議と当番で当たった頁には、今の自分に一番必要なメッセージが記されてありました。

日頃は気恥かしくて、人生観や仕事観などを大真面目に人前で話す機会など、なかなか得られないものですが、ベテラン社員も新入社員も、みな一緒に共有するこの時間を、掛け替えのない、有難く大切な時だと感じています。

『心を高める、経営を伸ばす』