みなし役員に気を付けて(2015_7月号)

みなし役員に気を付けて(2015_7月号)

監査5部  柴田 孝一

会計事務所の繁忙期である3月決算法人の申告業務が終わり、少しほっとしている今日この頃です。定時株主総会や取締役会を開催し、役員改選の決議をされた法人も多い時期ではないでしょうか。
その中で気を付けていただきたいことの一つに、「みなし役員」というものがあります。

○みなし役員とは
登記上は役員とされていなくとも、法人税法上の規定を受け、実質役員と同じとみなされる方のことです。みなし役員とされるには、以下の二つの要件があります。

①会社の使用人以外の方(会長や顧問、相談役等)で、役員同様経営に従事しているとされる方

②同族会社の使用人で特定の要件(株式所有割合の基準)を満たしている方で、会社の経営に従事している方

二つに共通しているように、「会社の経営に従事している」ということがポイントになってきます。この文言だと曖昧で分かりづらいですが、一般には「会社の主要な業務執行の意思決定に参画していること」を指していると考えられており、具体的には事業計画や職制の決定、資金計画、設備計画、人事の決定等会社の主要な業務執行の意思決定等に参画しているかどうかにより判断することとなります。相談役や会長が、簡単なアドバイスをする程度であればみなし役員に該当しません。

みなし役員で多い例は、一族で経営している同族会社で、登記上の役員は社長一人でも、経営上の意思決定に際し奥様やご子息が関わっている場合です。また、前社長が相談役や会長に就任した後も、意思決定に関わっているというのも多い事例です。税務調査の際にみなし役員だと判断され、税務上不利な適用を受けたという事例をよく耳にします。

○みなし役員とされてしまうと
みなし役員と判断されて困ることはなんといってもその“みなし役員”に支払われていた給与です。これまでは一般的な給与とされていたものが、税務上役員給与扱いとなります。
そのため、これまでに普通の社員同様に支払っていた賞与は役員賞与とされてしまい、損金にならなくなってしまいます。また基本給とは別に残業代等を支払っている場合ですと、毎月役員給与の額が変動しているという事になるため、基本給等毎月一定に支払われている以外の部分が損金になりません。
 
みなし役員と判断されるかどうかは難しい問題です。「うちの会社もしかして…」と思われた方や詳しく知りたい方は、あさひ会計の各担当者までお問い合わせください。