エルダー制度の薦め(2013_2月号)

エルダー制度の薦め(2013_2月号)

株式会社旭ブレインズ  鈴木 正喜

もうすぐ4月。新入社員が希望に胸膨らませて入社してくる時期です。

各会社では、新入社員に対して①学校と職場の違い、②社会人としてのマナー、③会社のルール、④顧客意識、⑤コスト意識等を主たるテーマとした【新入社員研修】を計画し、さらに、配属先の現場では、新入社員が早期に独り立ちすることを期待して、先輩前任者が実務を中心とした指導計画を考えていることと思います。

新入社員は、不安を抱えながらも早く仕事を覚えたいという意欲を持って努力しますが、入社直後から、仕事以外のことに対しての不安や悩みを持つことも少なくありません。実務指導者との年齢ギャップが大きかったり、あるいは実務指導者が直属の先輩や上司だったりすると、直接的な業務以外の相談をしにくいと感じてしまい、自分で抱えこんでしまうことが往々にしてあります。この会社で頑張ろうという意識を持って入社した新入社員が、不安や悩みを抱えこまないで、スムーズな社会人としてのスタートがきれるように「エルダー制度」の導入をお薦めします。

「エルダー制度」とは、組織上での監督権限を持っていない数年上の先輩社員が教育係(エルダー)となって、実務の指導を初め職場生活上の相談役を務める制度のことです。この制度は、新入社員が円滑に社会人としてのスタートがきれることを狙いとするのみでなく、エルダー自身が、自分自身の振返りを行いながら次のステップのための指導経験を積むことができるという既存社員への教育効果も期待できます。

例えば、新入社員が入社直後から訴えることの多い①先輩や上司より先には帰りづらい、②先輩や上司との付き合い方がわからない、さらには③仕事を指示通りできずミスを繰返してしまう、といったようなことに対して、既存社員は独力、あるいは他からの指導や協力を得ながら対応できますが、新入社員にとっては経験したことがないため、「誰に相談していいか」すらわからず深刻になってしまうこともあります。これらのことに対して、いわば「よろず相談係」としての位置付けにあるのがエルダーです。

業務以外のことの相談等について、業務指導をしている前任者や不特定の先輩社員がエルダーとしての明確な役割意識を持つことなく、相談を受けた時に対応するということを行っている会社が多いと思いますが、新入社員が不安や悩み等を何でも気兼ねなく相談できるように、あるいはエルダー自身から気軽に声掛けができるように、入社2~5年程度の社歴を持つ先輩社員を1対1、あるいは複数新入社員に対して1人というように、業務指導とは別個にエルダーを任命した方が望ましいように思います。

先ずは、各職場で、4月までに【新入社員研修】で指導する「仕事の進め方」や「報・連・相」等の基本を再確認し、新入社員が配属後に、研修内容と現場とのギャップに戸惑わないようにしたいものです。