スイッチOTC医薬品で医療費控除(2017_1月号)

スイッチOTC医薬品で医療費控除(2017_1月号)

審査部 チームマネージャー 村山 和良

セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)が平成29年1月1日以後購入のスイッチOTC医薬品から始まりました。
セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」であり、これを推進することにより自発的な健康管理や疾病予防の取組を促進し、医療費の適正化が期待されています。
また、スイッチOTC医薬品とは、「医療用医薬品(処方薬)として使われていた有効成分が、薬局で店頭販売できる市販薬に転換(スイッチ)されたもの」で、OTCはOver The Counterの略、薬局でカウンター越しに売られる薬を意味します。

◆特例制度の概要
この医療費控除の特例を受けるには、個人が健康の維持増進及び疾病の予防として、①健康診査(人間ドック等で医療保険者が行うもの)、②予防接種、③定期健康診断、④特定健康診査(メタボ健診など)、⑤がん検診のいずれかを行い、その証明書類として予防接種の領収書又は結果通知表(写し可)等を所得税確定申告書に添付することが必要です。
これにより、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために購入した一定のスイッチOTC医薬品の合計額が12,000円を超えるときは、特例による医療費控除の適用があります。

◆対象のスイッチOTC医薬品
この特例の対象となるスイッチOTC医薬品は、一般用医薬品等のうち厚生労働大臣が財務大臣と協議して定めるもの(特定一般用医薬品等)で、平成28年12月16日時点ですでに1,555品目あります(厚生労働省HP)。
特例対象のスイッチOTC医薬品であるかどうかは、取り扱う各販売店舗がレシート等にセルフメディケーション税制対象商品である旨を明記することになっています。

◆控除額の計算
その年中に支払った特定一般用医薬品等購入費の金額の合計額が12,000円を超える場合に、その超える部分の金額(88,000円を限度)を、医療費控除として所得から控除できます。
この特例による医療費控除と通常の医療費控除は、制度的な選択適用とされており、いずれかの制度を選択することになります。特例による医療費控除を適用する場合には、通常の医療費控除を適用することはできませんので注意が必要です。

◆最後に
通常の医療費控除は、一般的に100,000円を超える部分が所得控除になるのですが、この特例に該当すれば対象市販薬の購入が年間12,000円を超えれば適用になるので、医療費控除の適用者が増加するかもしれません。
対象品目の中には、インドメタシンやフェルビナクの成分を含む肩こり・腰痛の市販薬、イブプロフェンを含む風邪薬等、有名な市販薬がたくさんあります。
医療費の領収書と市販薬の領収書は、年末まで大切に保存しておきましょう。