マインドフルネスとは?(2017年_4月号)

マインドフルネスとは(2017年_4月号)

監査5部  柏倉 佑美

マインドフルネスという言葉をご存知ですか。
マインドフルネスとは、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」と定義されています。
単なるリラクゼーションとは違い、良いことも悪いことも静観し受け入れることで、感情をコントロールし、ストレスに埋没しない心の基礎体力を上げることが目的です。
米グーグルやインテルが企業研修として採用したのをきっかけに一躍脚光を浴びましたが、1979年に米マサチューセッツ大学の名誉教授が、仏教における瞑想から宗教的要素を取り除きストレス緩和のために活用したのがそもそもの始まりと言われています。それがここ最近になって広く世間の注目を集めるようになったもう一つの理由は、これまで主観的な気持ちの変化だと思われていた瞑想の効果について、脳科学の発達により、実際に脳の機能や構造に変化を与えるという実証データが示されたことです。

マインドフルネスはビジネス界のみならずスポーツ界にも導入されています。スポーツ選手が試合前に集中力を高め、ベストな能力を発揮するために行うルーティーンもマインドフルネスの一種です。昨年の大相撲初場所で日本出身力士として10年ぶりに優勝した琴奨菊関が行なっていた、取り組み直前に上半身を反らす「琴バウアー」も、メンタルトレーニング指導におけるアドバイスから生まれたそうです。

マインドフルネスの語源は仏教における「サティ」の英語訳で、日本語では「念」や「気づき」などと表現されます。そもそもは仏教の瞑想法に由来し、基本的なやり方は通常の瞑想と同じです。宗教における瞑想との大きな違いは、精神的、身体的な効果を期待して行うという点です。まずは、静かに座って目を閉じ、自分の呼吸に意識を向けます。注意が他のことに逸れたら、また意識を呼吸に戻すことを繰り返します。
私たちは過去の嫌な出来事を思い出して憂鬱になったり、起こってもいない未来の出来事を想像して不安になったり、自分自身でストレスを生み出してしまいがちです。
過去や未来のしがらみから解放されれば、今この瞬間に注力しベストパフォーマンスを引き出せるようになるのです。
また、自分と異なる意見に直面した時、人は思わず拒絶してしまうものですが、他人の評価や言動に対して心乱されることがなくなると、異なる考え方を好奇心を持って受け入れることができるようになります。創造性とは蓄積された知識や経験を結びつける能力とも言われますが、多様な価値観を受け入れることは、新しいものを生み出す際の豊富な材料となります。

精神だけでなく身体に及ぼすメリットも数多く報告されています。うつ病などストレスに起因する疾患に対して効果が期待できるほか、ストレスの低減による免疫システムの向上、睡眠の質の向上、ダイエットなどにも効果があると報告されています。

マインドフルネス瞑想は1回45分程、継続的に行うことで効果が表れるそうですが、初めは短い時間からでも、日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。