京セラフィロソフィ(2016_8月号)

201510柴田先生京セラフィロソフィ(2016_8月号)

今年も京セラの創業者稲盛和夫氏が主宰する盛和塾世界大会が、世界に広がる88塾から4,773名の塾生を集めて『心を高める経営を伸ばす』のテーマの下に開催された。2日間のスケジュールのなかで6名の塾生が経営体験の発表を行ったが、特に今年は、経営を実践する上において経営哲学、フィロソフィ、経営理念といわれるものが如何に大事かということを身に沁みて感じさせられた。

あさひ会計でも稲盛和夫塾長の著作である『心を高める、経営を伸ばす』を毎朝の朝礼で6回も輪読し、今は同じく稲盛会長著の『成功への情熱』の2回目の輪読を終わろうとしているのだが、盛和塾世界大会を通じあさひ会計での試みが、まだまだ甘く、まだまだ徹底していないと痛感させられたのであった。

経営体験の発表をした6名の経営者の皆さんは、生きる糧を稼ぐのに四苦八苦してきたとか、何のために働き、何のために会社が存続できているのかもわからなかったとか、2代目の社長に就任したものの何もわからず恐ろしかったとか、「もうダメだと思ったときが仕事のはじまり」という稲盛塾長の言葉を頼りに頑張ってきたとか、25歳で独立したものの最初は金だけを追及し、その次は名誉を追い求め、結局は会社が傾き、創業時の仲間にも去られ、盛和塾に入塾して「経営者が心を高めることやフィロソフィの重要性」に初めて気づかされたとか、創業者の親から「お前には徳が無い」といわれ、入塾して「人として何が正しいか」を基にして経営を考えるようになったとか、様々な生き様や社歴を聞かせて頂いたが、今や発表者はそれぞれに売り上げを急激に増やし、利益も業界平均をはるかに超える水準を実現している。

物質主義を超越し、精神面に重点を置いた企業フィロソフィを持ち、それを信じて経営を行っている企業は日本に限ったことではない。数は少ないがヒューレット・パッカード社にしろ、サウスウエスト航空にしろ世界にはいくつもの会社が経営哲学を経営の中心に供えて好業績を収めている。

稲盛塾長は「従業員を1つにまとめるには経営者自身が考え方を磨き続けなければならない」と説く。そして「考え方」こそが人生や経営を大きく左右するという。京セラでも当初は哲学・考え方を同じにしようとすると強い反発があったというが、悩んだ末、思想を分かち合えないなら、哲学を分かち合えないなら辞めてもらっても結構だとして全従業員でフィロソフィを共有しようと考えたという。トップが持つ人生観・哲学・考え方がすべてを決めるのであり、結局会社はトップの器量以上、人格以上のものにはならない。皆様には『京セラフィロソフィ』(サンマーク出版)を紐解かれることを是非お勧めしたい。