人事評価のポイント(2016_7月号)

人事評価のポイント(2016_7月号)

株式会社旭ブレインズ 取締役会長 鈴木 正喜

基本給変更を4月に実施する会社が多いと思いますが、変更後最初の支給日には、社員が前年度の自分自身の仕事を振返り“今年も頑張ろう!”と強い想いを持つのでなければなりません。

基本給変更には能力の伸長度や会社に対する貢献度等を反映させるわけですが、これらは『評価』として表わされます。

『評価』を基本給や賞与等の処遇決定のために実施すると捉えている経営者も少なくないのですが、本来はそうではありません。『評価』を実施するということは、「事業計画」を達成するために会社が社員のそれぞれに示した期待に対する対応度合いを、一定の期間で確認するということであり、さらには評価結果から見えてきた個人の課題を整理し、上司と部下の間での相互話合の下で次期の目標を明確にし、確実な実行のための動機付けを行うということです。
つまり『評価』とは「事業計画」を達成するために、会社から社員に明示した期待事項を確実に実行するための動機付けの手段なのです。そして、期待対応度が高ければ(このことが個人の成長にもつながります)貢献度が高いということになり、給与等の処遇に好影響をもたらすことになるのです。
人事制度を大別すると、【賃金制度】【昇進・昇格制度】【教育制度】【評価制度】等に分けられますが、これらの制度の中で、【評価制度】は他の制度を効果的に機能させるための基礎となる制度です。

従って、『評価』は正しく行われなければなりません。その前提として、会社からの社員に対する期待を明確にする必要があります。全社一律での期待提示をする会社も多いですが、「事業計画」を前提とした期待は職種や経験によっても異なるため、これらにマッチした期待を具体的に提示することが「事業計画」の確実な達成と正しい『評価』、さらには育成につながります。

期待に対する対応度合いは、一定期間経過後に検証(=『評価』)しますが、上司は日常的な行動観察やコミュニケーションに配慮することで、評価実施時に必要な情報不足に陥らないように留意しなければなりません。情報不足は、寛大化・厳格化・中心化・ハロー効果等の過ちにつながってしまいます。評価対象項目によっては、毎月の進捗確認を実施することが望ましいこともあります。

『評価』では、自己評価後に上司評価を行います。その後、両者間で評価対象期間の行動に対する振返りと次期の目標設定をフィードバック面談として行いますが、評価者は被評価者も積極的に発言できるような面談を心がけたいものです。

このような一連の評価ステップを経てこそ、社員から「自分に何が期待されているのかわかった」「何を頑張ればいいのかわかった」「何が重要なのかがわかった」というような発言がでるようになり、真の意味での動機付けと育成が図られることになります。