保険の戦略的活用法(2017年_9月号)

保険の戦略的活用法(2017年_9月号)

株式会社財務サポート 齋藤 秀人・猪俣 哲夫

経営者の皆様から損害保険や生命保険について多くのご相談を受けます。

ほぼすべての法人、事業者が何らかの損害保険・生命保険に加入しています。ご相談を受け加入内容を分析すると《モッタイナイ!》と思うことが非常に多くあります。
保険料は貴重な経営資源から現金で支払いますが、何故か毎年のチェックが疎かになりがちです。
当初の加入目的や経営状況に変化があっても、見直しされずにそのまま継続されているケースが多く見受けられます。保険は活用次第で会社と経営者の強力な武器になるものです。しかし、高額な保険料支出が、資金繰りを圧迫するケースも見られます。

そこで、今回からシリーズで会社と経営者のための『保険の戦略的活用法』をテーマに、保険を経営にどう活かすべきかを連載します。

ところで、保険の本質とは何でしょうか?

「保険は複雑で難しい」という話をよく耳にしますがそんなことはありません。ちょっと乱暴な言い方ですが、保険は予測可能なリスクと予測不能なリスクの両方をキャッシュでカバーすること。ずばり、キャッシュです。
リスクを特定し数値化し経営への影響度を検討することが保険活用の第一歩です。保険商品の選択や検討はその後です。

①何のリスクに対して保険を使うのか 
②費用対効果はどうか
③保険を使うメリットとデメリットは

法人における保険活用は、リスクとキャッシュと損益のコントロールであり、経営そのものと言っても過言ではありません。

保険の本質を確認いただけましたか?
リスクを特定すること!が最も重要です。
保険が出来ることは①保険金②解約返戻金を支払うことだけです。非常にシンプルです。

では、具体的な保険商品の内容について確認していきます。

第1回は損害保険編 <火災保険>です。
チェックポイントは
①建物の評価が適正か? → 保険金額が妥当かどうかに関ってきます。
②保険金額は再調達価額で設定されているか? → 事故の際の修理や再取得のためにかかる費用を賄うのに十分な額が望ましい額といえます。
③保障範囲は適正か? → 火災もさることながら近年は気象現象による落雷や突風による事故も多くなってきています。建物だけでなく設備・什器の付帯が大きく関ります。

更にもう一点。オプションで「電気的・機械的事故」との名称になっていると思いますが、いわゆる「機械保険」の要素の補償があります。もちろん保障範囲が広くなりますから、保険料はアップします。しかし、機械が破損・故障してしまった場合、その損害額は非常に大きなものになります。特に工場の場合には、操作ミスによる機械の故障・過電流などの電気的事故・他物との衡突等の不測かつ突発的な破損など幅広く補償されるので有効です。

毎年「前年と同条件」で加入している方は、是非保険証券を確認してみてください。