個人事業者の記帳義務(2014_9月号)

個人事業者の記帳義務(2014_9月号)

監査3部  税理士 髙橋克徳

少し気が早いですが、確定申告に向けてのお話です。

平成26年1月からすべての個人事業者に、帳簿の記帳と保存が義務付けられました。

〈税制改正により義務化〉

平成25年12月までは、事業所得、不動産所得、山林所得について、①青色申告をしている者②白色申告をしていて前々年又は前年分の事業所得等が300万円を超えている者に、帳簿の記帳と保存が義務付けられていましたが、税制改正により平成26年分の確定申告からは、白色申告で所得が300万円以下であっても、帳簿の記帳と保存が義務化されました。したがって、該当する方は早めに準備を進めておく必要があるでしょう。

〈記帳内容と保存期間〉

帳簿とは、売上、仕入、経費について、それぞれ取引年月日、相手先の名称と内容、金額が記載されたものをいい、記帳にあたっては、それらの数字の基となっている請求書や領収書の整理も必要となります。ただ、白色申告者の場合は「簡易な方法による記帳」も認められておりますので、一つ一つの取引ごとではなく日々の合計金額をまとめて記載することも可能です。

なお、帳簿や書類の保存期間は、下記のとおりです。

個人事業者の記帳義務_保存期間(2014_9月号)

〈青色申告との関係〉

この改正によって、事務負担の少なさという白色申告のメリットは失われました。よって、どのみち帳簿の作成と保存が必要になるのであれば、青色申告特別控除や青色事業専従者給与の必要経費算入、純損失の繰越など、様々な税務上の恩恵が受けられる青色申告を検討してみてはいかがでしょうか。

ただし、青色申告をするためには、適用を受けたい年の3月15日まで(1月16日以後新規開業の方は開業の日から2ヶ月以内)に税務署へ「青色申告承認申請書」を提出する必要がありますので、これから青色に切り替える場合は、平成27年分の確定申告から受けられることになります。