内部統制の構築(2015_8月号)

柴田健一_あさひ通信内部統制の構築(2015_8月号)

仙台事務所に「長年、経理を担当していた社員に2億円を使い込まれたので弁護士を紹介して欲しい」という依頼があった。会社の規模が小さいうちは、経営者がすべての判断を行い、社員とのコミュニケーションも密で、会社全体を把握し管理できるが、会社の規模が大きくなるに従い、業務も多様化し複雑化してくると、もはや経営者だけでは充分な管理ができなくなり、今まで考えられなかったミスや、不祥事が起きてくる。

最近、会社が事業活動をしていく上で必要不可欠な仕組みとして「内部統制」が注目を浴びている。中堅企業ともなると社員数も増えるため、権限を委譲し、役割分担を決め、事故を予防するための様々なルールを定めることになるが、この「ルール」が内部統制というわけである。

内部統制がないと、会社はどうなるのか?

①業務の非効率化
  社員が野放し状態となり、無駄遣い、遅刻・欠勤の常態化、ミスの多発が起こる。
②不祥事の温床
  資産の私的流用、経費の水増しなど不祥事の温床となる。
③不明瞭な財務データ
  財務管理が徹底されないため、不正や誤謬が起こり、資金繰りが不明となり窮地に陥る。

中小・中堅企業が実施すべき内部統制としては、以下のようなものがある。
〇企業統治の体制を作る
・経営理念を社員に周知徹底する
・責任と権限を明確化して、権限を委譲する
・社員のモチベーションを高める(クレド等)
・法令順守、企業倫理を徹底する
〇業務規程・マニュアルの整備
・業務を標準化してミスを未然に防ぐ
〇承認システムの整備
・経費処理など必ず上司の承認を得る
・業務処理を複数人でチェック・承認する
〇分業の実施
・一人に業務を集中させない
・業務プロセスを細分化して、複数人で関与
〇定期的な人事異動
・一つの業務を長期間特定の者が担当しない

京セラでは創業当初からモノやお金が動くときは必ず伝票を起票し、チェックすることを原則として伝票操作や簿外処理を許さない「一対一対応の原則」を徹底している。また、お金を扱う人と入出金する人を必ず分け、さらに第三者が現金残高と伝票とをチェックする等の「ダブルチェックの原則」を適用し、人に罪をつくらせない配慮をしている。

あさひ会計では「内部統制の診断・構築」のサービスを実施しており、是非ともお問い合わせを頂きたいと思う。