医療費控除~その領収書は捨てないで!~(2014_2月号)

医療費控除(2014_2月号)

監査4部 税理士  岡﨑 峻也

 

所得税には数多くの所得控除がありますが、その中でも代表的なのは「医療費控除」です。医療費控除はサラリーマンの方々でも使える身近な節税対策ということもあり、多くの方がご存知のことでしょう。

この医療費控除に関して、よく聞くフレーズがあります。「今年も10万円いかなかったから関係ない」というものです。しかしこの判断は誤解で、実は医療費が10万円かからなくても医療費控除を受けることができるケースがあるのです。

そもそも医療費控除の計算基礎となる金額は「居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場合において、その年中に支払った当該医療費の金額の合計額」を指します。これは医療費控除を規定した条文(所得税法第73条)ですが、問題となるポイントがこの続きにあります。

「(続き)…その年中に支払った当該医療費の金額の合計額が、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の100分の5に相当する金額(当該金額が10万円を超える場合には、10万円) を超えるときは、その超える部分の金額を、(中略)控除する。」

数字や用語がたくさん出てきましたが、ここで注目すべきはカッコ書きにある「当該金額が10万円を超える場合には10万円」というところです。

実は、よく耳にする10万円とは「当該金額(総所得金額等の100分の5)」と「10万円」を比べる際に用いる、最も不利な上限額を指していたのです。

この総所得金額等とは、副業等のないサラリーマンの場合、給与収入から給与所得控除を引いた金額を指します。その金額が10万円より大きくなるラインというのは給与収入で年間311万6千円以上の方となります。

医療費控除は所得税を減らす効果だけでなく、住民税を減らす効果もあります。今まで10万円いかなかったからといって医療費控除を受けていなかった方々はもちろん、上記の適用がない方でも、医療費はいつ何時かかるか予測できるものではありません。節税のためにも、今年からは領収書を保管されてみてはいかがでしょうか。

 

医療費控除_図