変化への兆候(2017_3月号)

shibata201703変化への兆候(2017_3月号)

東証1部に上場する企業の平成29年3月期の最終利益の合計額が過去最高を更新する見通しだ。円安から海外販売が好調なのと原油安もコスト面でプラスに働いている。

世界経済も回復の足取りは確かだという。米国は賃金が上昇しだし、欧州も信用拡張が始まり、中国の内需拡大で石炭や鉄鉱石の需要が回復し、資源の輸出国であるオーストラリアやブラジルの経済が上向いている。ロシアも原油相場が底打ちしたことで窮地を脱しつつある。インドは経済成長が今最も注目されている国で好調を持続し、中国向けの輸出が多いアジア諸国の景気も回復しており、世界は景気の好循環期に入ったようだ。

一方、内需は外需ほど勢いはないものの、食料関係の業績がよく、住宅の受注が意外に堅調で底堅く、サービスでは介護やネット販売が伸びている。地方の景気もようやく好転の兆しが見え始めたようだ。

このようななかで最近の注目ポイントはヤマト運輸がドライバーを中心とした人手不足から、宅配便の荷受量を抑制するというニュースだ。ネット通販の普及により宅配個数が急増しており、正午から午後2時の時間帯指定廃止の予定だという。同社の労働組合は平均1万1千円の賃上げを要求している。

日本は将来、人口減少から仕事があっても人手が確保できずに倒産する会社が出てくるといわれてきたが、とうとうそんな時代の入口に来ているようだ。今、特に地方の企業にとっては、人材確保が最大の経営課題となろうとしている。

最近、新聞を広げるとトランプ、トランプとトランプさんの記事ばかりだ。確かに彼は悪態はつくし、品はないし、時代遅れの荒唐無稽な主張を繰り返しているが、グローバリズムを否定し、貿易赤字をまるで相手国が不正行為をしているかのように捉え、マスコミを含む現在の支配体制を打ち壊そうとしている言動を見るに付け、彼が掲げた政策が正当だとは思えないが、金融を中心とした現在の資本主義体制が曲がり角に来ていることを暗示しているのではと感じるのである。

グローバリズムとは国境をなくすことであるが、国境がなくなれば膨大な情報や物質や人間の移動を可能として、個々の国の文化や伝統といった独自性を消し去ることにもなる。また、世界経済は成長の速度を弱めており、プラスサム(競争しあってもトータルはプラスとなるWIN-WINの関係)からゼロサム(競争すれば勝組と負組がでる)の状態に移行しつつある。かつ、実体のない金融資本がリーマンショックのような不祥事をおこしており、トランプ現象は社会主義でもない、資本主義でもない第3の道を探るためのショック療法なのかもしれない。