外注費と給与の違いについて(2015_12月号)

外注費と給与の違いについて(2015_12月号)

監査1部 チームマネージャー 守 基一

会社で支払った経費が、外注費になるのか給与になるのかというご質問を受けることがあります。今回は外注費と給与の違いについてみていきます。

Ⅰ.基本的な考え方

外注(請負)と給与の違いは、報酬を受ける者(個人)が会社の指揮命令下で業務を行っているかどうかで判定されます。
具体的には以下のように考えます。
●外注の場合
 報酬を受ける者が自己でリスクを負って独立して事業を行っている。いわゆる請負。
●給与の場合
 報酬を受ける者が会社に従属(雇用契約)して会社がリスクを背負う事業に役務を提供する。

Ⅱ.税務上の外注費と給与の判定基準

外注と給与は以下の四点を基準に総合的に判定します。
(1)契約内容が契約者だけでなく他の人がやってもよいことになっていれば請負契約、そうでなければ雇用契約
(2)仕事をするにあたって、事業者から個々の指揮監督を受けないのであれば請負契約、そうでなければ雇用契約
(3)仕事の目的物が不可抗力で滅失した場合に、それまでの分の報酬を請求できないのであれば請負契約、そうでなければ雇用契約
(4)仕事にかかる材料や道具を事業者から提供されていなければ請負契約、そうでなければ雇用契約

Ⅲ.源泉所得税、消費税について

(1)源泉所得税
外注の場合は、源泉徴収は不要です。(業務内容によっては必要になる場合があります)給与の場合は、支払額から所得税を徴収しなければなりません。
(2)消費税等
外注費は会社の消費税の計算では消費税が課税されます。給与の場合は消費税は課されません。
(3)確定申告
外注(請負)の場合、報酬を受ける者は確定申告をしなければいけません。(事業開始時に税務署に事業開始届出の提出が必要です)給与の場合は、通常は年末調整で所得税の納税は完結します。

Ⅳ.おわりに

従業員と同様の通勤手当の基準に基づいて、交通費を支給している場合や、業務に使用する道具も会社のものを使用している場合などは、給与に該当するとみなされる場合が多いです。
外注の場合には、業務の請負はひとつひとつの仕事毎に金額が決められている(時間給ではない)ことが必要です。
給与と外注費はあくまでも実態で判定します。外注として処理を行い、給与と認定された場合は、本来納税すべきものだったとして、会社も個人も後から税額の納付が発生します。従いまして、十分に検討を行い、外注に該当する場合には、他の請負業者と同様に請負契約書の整備や、外注先が発行する請求書で支払いを行うということが重要です。