成年後見制度(2013_6月号)

成年後見制度(2013_6月号)

山形相続サポートセンター センター長  白田 文

成年後見制度とは、判断能力が不十分な方が、不利益をこうむらず、自分らしく安心して生活ができるようにするための制度です。少子高齢化に伴い、今後ますます注目されるしくみの一つです。

例えば、

●高齢により判断能力が十分でなくなってしまい、預金通帳の管理や預金の出し入れ、賃貸不動産の管理が難しい、また、財産をだまし取られてしまう

●自分に合った福祉サービスや医療サービスを選ぶことが難しく、契約や手続きができない

などの場合に、成年後見人等が財産を適切に管理し、適切な福祉サービスを使い、自分らしい生活ができるよう支えていきます。「後見」とは「後ろだてになって支える」ということです。


Q.「成年後見制度」にはどんな種類があるの?

A.大きく分けて「法定後見制度」と「任意後見制度」の2種類があります。

「法定後見制度」は、既に判断能力が衰えてしまった方を、家庭裁判所が選任した成年後見人等がサポートするものです。本人の判断能力の度合いに応じてさらに3つの類型(後見・補佐・補助)があります。

「任意後見制度」は、判断能力が衰える前に、前もって本人が自分の判断能力が衰えた時のために後見人を選んで契約しておくものです。


Q.成年後見人の仕事は?

A.「療養看護(身上監護)」と「財産管理」です。

「療養看護(身上監護)」とは、本人が自分らしい生活を送れるような、住居の確保、生活の維持に必要なことや、必要な医療・介護の手配といった支援です。

誤解しがちですが、食事の世話、排泄介助などの介護のような“事実行為”は行わず、契約締結などの“法律行為”を行ってサポートするのが基本です。


Q.本人の相続対策は?

A.ご本人の判断能力が不十分であるが故の制度です。相続争いに備えて遺言書を作成したり、節税のために生前贈与契約をするのは不可能ということになります。

また、本人を保護するための制度ですから、本人の財産を贈与したり、貸し付けたりすることは原則として認められないと考えるべきでしょう。

相続対策は、お早めに。