新卒採用事情(2014_3月号)

あさひグループ代表 柴田健一 新卒採用事情(2014_3月号)

完全失業率は下がり続け今年1月には3.7%に、有効求人倍率も月を追うごとに上がり続け1月には1.04とついに1倍を越えた。

安倍首相が経済3団体に賃上げを要請したのは昨年の2月だったが、ここにきて大手企業が賃金のベースアップを視野に入れ始め、人材派遣大手が料金の3~5%の引上げ交渉に入るなど、労働市場の潮目はこの1月を境に「買い手市場」から「売り手市場」へと完全に変わりつつある。

企業側の2015年新卒学生の採用活動はこれから本格化するが、例年とは様相を異にしている。採用を予定している会社数を従業員数の規模別に見ると全ての規模の会社で採用意欲が高まっている。特に従業員数50名未満の中小企業が前年比188%と新卒を採用する予定の会社数が大幅に増えている。また、採用人数を増やす見込みの会社を従業員数の規模別に見ると、従業員数5,000名以上の会社が採用数を大幅に増やそうとしている。総括的には、中小企業が新卒採用を再開しているが、大企業も新卒の採用数を大幅に増やそうとしているといえる。

これを受けて新卒学生の就職活動の動きも変化してきている。会社数から言うと一都三県に所在する従業員数5,000名以上の会社は全会社数の4%であるが、なんと新卒予定の学生の25%が一都三県の従業員数5,000名以上の会社に就職希望のエントリーをしている。

特に、東京都に本店を持つ銀行や証券会社、保険会社といった広義の金融機関に就職希望の学生が集中している。どうも新卒学生の採用(就職)活動の様相はリーマンショック以前の状況に戻ったようだ。

しかし、状況は厳しいといっても中小企業が発展を遂げるためには新卒採用を続けるべきだと私は思っている。新卒採用の最大のメリットは、新卒を採用して社内で育成すれば、将来会社の中核を担う優秀な人材に育つ確実性が高いということだ。優秀な人材を中途採用することは難しい。さらに、若い新卒社員が入ってくることによって、既存の社員が一段上に押し上げられ、組織全体がリフレッシュする。また、特定の企業カラーに染まっていない新卒は自社の企業文化を継承していくには最適である。

あさひ会計グループは開業数年後の従業員数7、8名の頃から新卒学生を採用し続けている。おそらく会計事務所で新卒採用をし続けているところは少ないと思うのだが、新卒採用は60数名の社員数となったあさひ会計グループ発展の原動力だと思っている。

新卒採用を始められていない社長様には、戦略として新卒採用を考えて頂きたい。社員こそが会社の財産であり、人材投資こそが会社の発展を維持してくれると思うのである。