注目国!ブラジル(2013_8月号)

注目国!ブラジル

監査6部 中村 勝宏

約1年後にサッカーワールドカップが開催されます。その開催地ブラジルは、世界中から注目を浴びています。今年の6月、ブラジルで開催されたサッカーコンフェデレーションズカップも連日ニュースに取り上げられました。私も、深夜まで日本代表の試合を応援した1人です。

一方、サッカーニュースと同じくして、国民によるデモ行進の様子がニュースで報道されました。外国企業の誘致を強く勧め、経済発展が著しく進むブラジルで、そのような事態が現在も起こることに驚きました。

ブラジルの人口は1億9,800万人で世界第5位です。経済面はBRICsとして発展が著しい一方、所得格差や治安の悪さが問題になってきました。2000年代の貧困層支援により所得格差は縮小し、所得中間層が半分にまで達しましたが、約10%が現在も貧困層に属しています。治安面も決して安全とは言えず、犯罪やテロ対策の情報が常に必要です。莫大な税金をサッカースタジアム建設に使うのではなく、学校や病院の建設、インフラ整備などを優先してほしい思いは、遠く離れた日本にも伝わってきたのではないでしょうか。

ブラジルには続々と日系企業が進出しています。大手牛丼チェーン店や百円ショップなど、安さを売りにする日本企業は、物価高騰が続くブラジルで連日大盛況のようです。

ただ2011年時点で進出した日系企業は約400社。中国26,000社、インド600社と比べるとまだまだ少ない数です。

税制面では、法人実行税率が日本35.64%であるのに対し、ブラジルは連邦税、州税、市税あわせて約34%となっており、複雑かつ高い税率です。また自国産業保護のため関税が高くなっています。それでも自動車メーカー、電気メーカー、機械メーカー、資源・エネルギー関連の多くの企業が進出しています。日本から安価な労働力とコスト削減を目的とした中国・アジア周辺地域への進出とブラジルへの進出とは異なります。南米の豊富な資源と、関税のかからない現地生産で、国内市場また南米諸国市場をターゲットにしているのです。

オリンピックやワールドカップの開催、豊富な資源により、南米市場は今後さらに注目されると考えられます。しかし、ワールドカップ開催により国民の生活が苦しくなり、暴動が起きては、せっかくの大イベント開催も失敗に終わってしまいます。

前回のワールドカップ大会開催地の南アフリカでは、スペイン選手が宿舎で現金を盗まれる事件が起き、治安の面でも話題になりました。ブラジルは、2016年にはリオデジャネイロオリンピックも開催されます。日本代表とともに、ブラジル国についても注目していきたいものです。

世界各国の法人実効税率