特別償却と圧縮記帳の効果の違いについて(2011_11月号)

特別償却と圧縮記帳の効果の違いについて

審査部  村山 和良

特別償却と圧縮記帳について、どういう違いがあるかご存知でしょうか?今回は、その効果の違いについて考えてみたいと思います。
震災特例法による「被災代替資産等の特別償却」と「特定資産の買換えの場合の課税の特例(圧縮記帳・課税繰延割合100%)」を適用する場合として、事例で検討してみます。

<事例検討>
・建物の取得価額:10,000千円
・耐用年数:10年
・償却方法:定額法
・被災代替資産等の初年度特別償却18%(震災特例法・中小企業者の建物):1,800千円
・震災特例法による特定資産買換え圧縮記帳(差益割合18%と仮定)圧縮損:1,800千円

減価償却の計上額(定額法)

1.普通償却のみ
定額法で普通償却のみの場合は、耐用年数10年の定額になり、最後に1円を残すだけで毎年同じ減価償却費になります。

2.特別償却あり
初年度特別償却がある場合は、初年度の普通償却をした他に初年度特別償却1,800千円があるので、初年度の減価償却費が多くなり、事例の場合は耐用年数10年でも8年と少しで減価償却がほぼ終了することになります。

3.圧縮記帳あり
初年度に固定資産売却益があり、それに課税されないようにするために固定資産圧縮損1,800千円を計上します(売却益分の課税の繰延べ)。圧縮損分が建物の取得価額から控除されるので、差額の8,200千円を基に減価償却を開始して10年間の定額になります。本来は毎年1,000千円の償却ができるところ、圧縮した分が耐用年数にわたって償却費から減額されます(売却益課税の繰延べ分が耐用年数にわたって相殺される)。

耐用年数10年を経過した時点では3方法とも期末簿価が1円になり、累計で同じ費用計上額(減価償却費、圧縮損)になるのですが、並べて見ると特別償却が減価償却を前倒しできるので有利な感じがするようです。圧縮記帳の場合は、土地を圧縮できればその土地を売却するまで課税の繰延べができるので有利になると思われます。

実際に行う場合は、その条件や判断が難しい場合がありますので、あさひ税理士法人の担当者にご相談していただくようお願いいたします。

(震災特例法・・・東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律)