目からウロコの経営術(2013_10月号)

あさひグループ代表 柴田健一 目からウロコの経営術(2013_10月号)

 

経営には3つの要素が必要だと思っている。

1つは「世のため人のため」というミッション、大義、理念を明確にすること。高慢な目標を掲げることによって全社員の価値観を統一し、経営者も社員も一丸となって目標に向かうことができる。

2つ目は「管理術」というか、管理のツールと管理項目をフォローし続ける執念を持つことだ。企業を取り巻く経営環境に適応していくための戦略も必要かもしれないが、販売シェアが1%にも満たない中小企業にとっては目の前の課題を明確にし、課題解決に取り組み続ける「管理術」のほうが重要だ。

3つ目は状況に流されず、会社を取り巻く困難な環境にも負けない、「なにくそ何としてでも実現するぞ」という「意志力」だ。

3つの要素の中で今回の通信では2つ目の「管理術」について述べたいと思う。あさひ会計では毎年、「MQ会計」の事例発表会を実施しているが、最近では全国の会計事務所の先生方を対象に「MQ会計」の講演を頼まれるようになり、事例発表会での事例を新人に披露してもらっている。すると会計事務所の先生方は入社1、2年目の新人が社長様方と一緒になって経営改善に取り組んでいる事例に驚き、その手法に「目からウロコが落ちた」と感嘆の声を上げるのである。あさひ通信では何回か「MQ会計」について記述しているが、再度、「MQ会計」について触れさせていただきたいと思う。

 MQ会計では経営管理の手法として経営状態をP(販売価格)、V(仕入価格)、Q(販売数量)、F(固定費)の4つの視点から分析し、視点ごとに社長様と検討を加え、次年度の目標を定めている。

「社長様、今年度のPは前年比1.2%下がっています。その結果、利益は780万円減少しました。」「その要因は何だったのでしょうか?」「やはり値引きですか。1%値引きすると年間650万円だけ利益は減少します。値引きについて承認制にしては如何でしょうか」

「Vは2.9%下がりましたので410万円だけ利益増加に貢献しました。」「Qは8.7%の大幅な減少で1千240万円の利益の減少となって表れています。社長様のところでは固定客化に投資していますでしょうか?」

 「Fは3.2%の減少です。390万円の利益増加に貢献していますが、全体で△1千220万円の利益減ですから、さらにコスト削減が必要と思います」といった具合だ。

 実際には、沢山の改善課題が浮かび上がり、その中から数点を絞り込んで翌年の改善課題として毎月毎月フォローしていくのだが、不思議と社長様が強い意思と気概を持って取り組めば状況は改善されていく。是非、担当者と一緒に取組んで頂きたいと思っている。