税務書類の保存期間と保存方法について(2017_2月号)

電子帳帳簿保存法の改正(2017_2月号)

監査2部 佐藤 貴洋

皆さんが日々作成されている領収書や契約書、請求書について、保管場所にお困りではありませんか?
以下の帳簿書類に関しては、税法では原則7年間、最長9年間(平成29年2月現在)の保存が義務付けられています。

・保管しなければならない帳簿書類

帳簿・・・総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳固定資産台帳など
書類・・・貸借対照表、損益計算書、契約書領収書、棚卸表など
帳簿書類は基本的に紙で保存するのが原則であり、法人や個人事業主の方は多くが紙で保管されていると思います。しかし、年々増えていく書類に対し、保管場所を確保するのも困難です。
そんな折、平成27年度税制改正、平成28年度税制改正と続けて電子帳簿保存法が改正され、電子データで書類を保存する際にスマートフォンでの撮影が認められるなど使いやすくなりましたので、今回はその概要や書類の流れについてご紹介いたします。

・電子帳簿保存法で認めているもの

(1)書類を、スキャナで読み取り、またはスマートフォンで撮影し、画像データとして保存すること
→取引先から受領する請求書や領収書などが該当します。
(2)帳簿について、始めから完成までを一貫してパソコンなどを使って作成した場合、データとして保存すること
→仕訳帳や総勘定元帳などを会計ソフトなどで作成している場合。会計事務所など、外部で作成している場合も認められます。

今回は(1)について、受け取ってからの流れを紹介します。

・電子帳簿保存法における帳簿書類保存の流れ

(1)取引先から領収書を受け取る。
(2)領収書をスマートフォンやスキャナーで画像デ―タとしてパソコンに取り込む。
①受領者が取り込む場合
受け取った領収書に受領者本人が署名を行い、スキャンする。正しくスキャンされた事を確認した後にタイムスタンプを付ける。(3日以内)
②受領者以外が取り込む場合
受領者より受け取った原本をスキャンし、原本と画像データが一致することを確認した後にタイムスタンプを付ける。(37日以内)
※タイムスタンプ・・・認定されたタイムスタンプサービス事業者により発行される電子的な時刻証明。電子データがその時刻に確実に存在していたことを示す。
(3)定期的(年に1回以上)に、(1)と(2)の事務作業に携わっていない人の手で、原本と画像データのチェックを行う。(定期検査)
※従業員が5人以下の小規模事業者の場合、税務代理人(顧問税理士等)が定期検査をすることが認められます。
(4) 上記検査後、原本の領収書を廃棄する。

以上のように、単にスキャンして保存するだけではなく、処理する際の規程などの要件、その他画質などの要件も満たさなくてはなりません。また、この保存方法を使用する際は、税務署長に対し申請書を提出する必要があります。
このように、まだまだハードルの高い部分もありますが、年々少しずつ要件が緩和され、身近なものとなってきています。