究極のリーダーシップ(2011_11月号)

究極のリーダーシップ 究極のリーダーシップ 

先月の10月26日(水)あさひグループ主催のリーダーシップセミナーを、今野華都子先生をお招きして開催した。リーダーシップ理論と言えばトーマス・F・ストローやハーズバーグ、ジョン・コッター等のリーダーシップ論を思い浮かべる方もいらっしゃるかと思うが、今野先生のリーダーシップ論は全く視点が違うというか次元が違い、講演の途中で私は何度も涙ぐんでしまった。

今野先生は、エステティシャンとして世界1位のグランプリを獲得しているエステティックサロンの経営者なのだが、ヒョンなことから負債38億円を抱えるリゾートホテルの再建を依頼される。再建にあたってまず取り組んだのは、個々の社員の生き方の方針をはっきりさせることだったという。
「あなたはこの世に何しに来たの?」「人としてどうありたいの?」長い期間経営が悪化しており、優秀な人はとっくに辞めて、社員は他に行くところがないので仕方なくそこで働いているような人達ばかりだったようだ。

「違うのよ。みんながここで働いている理由は、人生の大事な時間をここで生きるって決めたから、ここで働いているのよ。」そして、目の前の問題点を自分自身が解決できるよう、一つ一つそれはどういう意味で、そのことによってどういうことが起きているのかを具体的に話し、解決策を授けて行ったという。その上で「目の前の仕事は手段にすぎません。毎日の仕事の中で自分がどう生きて行くかが大事なの。」

ホテル再建の成功のカギは、社員の人達に“人としてどう生きたいのか”を自分で気づいてもらったことのようだ。そして“仕事こそが自分を生かせる最高のもの”なのだ。

今野先生は「外見だけ整えても一流の仕事は出来ないし、一流の人には通用しない。人として当たり前のことをやれるようになったとき、一流になる。一流になるには内面を磨かなくてはならない。」という。再建にあたっては彼らが“自分の人生の目的に気づく”“自分の能力に気づく”ヒントを与えただけという。

今野先生の根底にあるこれらの思いや価値観や判断基準は、千年かけて培われた日本人の遺伝子に流れているDNAだという。そして“人はどうあるべきなのか”に源を発した日本人の思いやりやきめ細かな心配りこそが究極のリーダーシップなのだという。

セミナー当日、今野先生の著書を購入した方々に先生直筆で背表紙にメッセージ付きのサインを頂いたのだが、私へのメッセージには「見えない愛を形にしていくのが“仕事”」と書かれていた。きっと私の顔には愛が現れていなかったのだろう。運命をひらくのは“笑顔”“肯定的なハイ”“相手の話にうなずく”という小さな習慣の積み重ねからという先生の教えに従い、愛を形にしていきたいと思う。