継続こそが力(2011_12月号)

柴田先生2011_12月号 継続こそが力

東北パイオニアが山形県の法人所得でNo.1だった頃、「何が御社の強みですか」と聞いたことがある。工場長が答えるには「我が社には誇れるものが二つある。一つは社員の小集団活動における提案件数が東日本で1番であること、二つ目は決めたことを守るとことにおいて絶対的自信がある。」ということだった。

わたしは二つ目の答えを聞いて愕然とした。「これが大企業と中小企業の差か!」・・・・・・ というのは当時私の父は小さな鋳物工場を経営していたが、工員の方達が決めたことをなかなか守ってくれなかったからだ。

「結果を変えるには、やり方を変えなければならない。やり方を変えるには考え方を変えなければならない。」と言われるが、通常人にとって変化する、現状を変えるということはなかなか難しい。まして長い間に身についた習慣や考え方を変えることは並大抵ではない。

ひとが正しい考え方を身につけるのには3つのパターンがあるのだそうだ。①生まれも育ちも良くてもともと正しい考え方が身についている、②ショッキングな出来事を体験し正しい考え方が身につく、③繰り返し繰り返し教育されて正しい考え方が身につく。

要するに、通常の人間にとっては正しい考え方を身につけるには、繰り返し繰り返し教育されるしかないということらしい。
松下幸之助さんがナショナル電器産業(現パナソニック)の最高顧問だった頃、もう高齢で会社の役員会にもなかなか出席出来なかったのだが、出席するといつも同じ話をされたという。その同じ話を役員の方達は、なるほど!なるほど!と頷きながら聞いていたという。同じ話でも経済環境や自分の置かれている立場や抱えている課題が変わればまた違った意味合いがあり、新たな気付きを与えてくれるのだろう。ナショナルの役員の方達は松下幸之助さんの同じ話を聞きながら薄皮を剥ぐようにして真実に近づいて行ったに違いない。

だからと云う訳ではないが、ここ1年近くの間、旭グループの毎日の朝礼では稲盛和夫京セラ名誉会長著の『心を高める、経営を伸ばす』を輪読し、現在5回目に差し掛かっている。この本は若い人向けに書かれたとのことだが、経営者や管理者にとっても5回目にもかかわらず毎日新鮮な気付きを与えてくれる。

数年前、ある経営者から「社員が暗くて元気がない。どうやったら会社の気風を変えることが出来るのでしょう?」と相談を受けた。「言い続けることですよ。」と答えたのだが、最近、その社長様から「いやあ!ホントですね。社員が変わり始めましたよ。挨拶も元気になりましたし、社員の目がきらきらし始めて、社内が明るくなりました。」とのご報告をいただいた。まさしく継続こそが力なのだ。