重加算税(2017年_6月号)

shibata201703重加算税(2017年_6月号)

平成29年1月1日以後に申告期限が来るものから過少申告加算税や重加算税の取扱いが改正された。
税務調査で誤りを指摘され修正申告書を提出した際に課されるペナルティは大きく分けて①加算税(国税)、加算金(地方税)…過少申告に対する罰課金と②延滞税(国税)、延滞金(地方税)…延滞利息とがあるが、今回は加算税(国税)の改正について2つのポイントを解説したい。

1.税務調査では、“更正予知”という概念がある。税務調査の指摘により税額が増えそうだと認知・予想するという意味だが、今般の改正前は税務調査の通知があった直後に修正申告をすれば過少申告加算税は回避できたが、税制改正により税務調査の事前通知後~更正予知までの修正申告については5%(追加の納税額が50万円を超えた部分は10%)の過少申告加算税が適用されることとなった。更正予知(税務署の指摘)後の修正申告について10%(追加の納税額が50万円を超えた部分は15%)の過少申告加算税が課せられるのは従前どおりである。
2.過去5年以内に重加算税を賦課されたものが、再び「仮装・隠蔽」に基づく更正予知による修正申告を行った場合、35%の重加算税に、さらに10%加重され45%の重加算税が課せられる制度が創設された。

会計事務所の関与する事業所様で無申告のケースは考えられないので期限内申告をしたものとして「仮装・隠蔽」したとして重加算税が賦課されるのは主として次のケースだ。
・申告の基礎となる「帳簿書類」を破棄または隠蔽している場合(もっとも悪質とされる)
・帳簿書類の改ざん・虚偽記載、請求書等の捏造、領収書の金額書換え、意図的な集計違算といった仮装経理。
・売上その他の収入の脱漏又は棚卸資産の除外(発見しにくいとして重加算税対象に)。

さらに、実際の税務調査では身に覚えの無いことも重加算税の対象だと指摘されるケースもある。場合によっては、税務署側にとって都合のいい通達や判例を示して税務職員が納税者を説得するということもある。例えば、従業員が売上を除外し私物化した不正経理行為について、「従業員の行為を納税者(法人の代表者)の行為と同一視することが相当である場合は、重加算税を付加することができる・・・」という判決があるのだが、どんな判決であれ、それなりの背景や経緯があるのであって、従業員の不正経理行為のすべてが重加算税の対象となるわけではない。

とはいえ、重加算税が適用されれば、延滞税や地方税を含め結局、ごまかした金額の相当分の税額が徴収されることになる。また、叙勲される場合には重加算税が賦課されていないことが条件となるらしい。「税金は経費の一部だ」と達観することも必要だろう。