預金口座へのマイナンバー付番の今後(2016_10月号)

預金口座へのマイナンバー付番の今後(2016_10月号)

仙台事務所  税理士 岡﨑 峻也

行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、通称「マイナンバー法」の運用が開始し、はや半年が経過しました。既にマイナンバーカードの交付申請を終え、顔写真入りのカードがお手元に届いている方もいらっしゃることと思います。

マイナンバー法が施行された当初はその利用目的として①社会保障、②税、③災害対策の3つの分野としており、法律で定められた行政手続きにのみ使用するものとされていました。

【マイナンバー法の改正】

しかし、上記の3分野について利用することでスタートしたこのマイナンバー制度ですが、もっと有効活用していこうという考えのもと、マイナンバー法が改正されました。その結果、新たに④預金口座、⑤医療という分野においても利用することが決定し、預金口座への付番、保険事業や予防接種履歴の管理等でもマイナンバーの活用が始まります。
マイナンバー法は、法の目的として「行政運営の効率化及び行政分野における公正な給付と負担の確保」を掲げています。国が「公正な給付」と「公正な負担」を行うためには、ほぼすべての国民が所有し、その財産を預けている預金口座の把握が不可欠!ということでしょう。

【預金口座への付番開始は平成30年を目途】

付番開始後も当分の間は預金口座への付番は任意とし、法律上も告知義務は課されておりません。付番の進捗状況を踏まえたうえで必要であれば平成33年を目途に法改正を行い、義務化としていく動きとなりそうです。それまでは各金融機関が預金者に対して告知の協力を呼びかけることとなりますが、預金者にとってメリットがないとなると告知する人は少数にとどまるのではないかと懸念されています。今話題にあがっているのは「告知すると利子所得の損益通算が可能となり利子から引かれた源泉税を還付する」というものがありますが、昨今の低金利の時代にあまり効果は見込めません。

【預金口座のすべてがつながる?】

実は国税通則法の平成27年改正で、税務調査等の際に納税者の預金情報をマイナンバーにより検索可能な状態で管理するよう金融機関に対して義務化することが決まりました。これにより相続税の申告で問題となることが多い名義預金について、紐付きが容易となるため、取締りが強化されることとなるでしょう。なお、個人が持つ預金口座が日本中の金融機関で一気に紐付けされてしまうのかと心配になりますが、現段階ではあくまで金融機関ごとに留まるようです。(内閣官房FAQ、Q5-2より)
現時点では預金者側に良いことがまるでないようですが、自身で預けていたのに存在を忘れていた口座や、相続人が知らないヘソクリ口座に巡り合うことがおきるかもしれません。