4つの損益分岐点(2016_10月号)

201610柴田先生4つの損益分岐点(2016_10月号)

9月1日、2日の両日、第二回目の“戦略MQ会計実践発表会”を実施した。参加者は、あさひ会計グループの全スタッフと札幌から福岡までの全国各地から参加いただいた24名の会計人で総勢100名となったが、全国であさひ会計だけが実践しているMQ会計を用いた経営改善活動が、今、全国の会計事務所から注目を集め始めている。

MQ会計をもう一度簡単にご紹介すると、教科書的には損益分岐点は1つしかないのだが、MQ会計では4つの損益分岐点を用いて経営改善活動をおこなっている。4つの損益分岐点とはP(販売単価)、V(仕入単価)、Q(販売数量)、F(固定費)だが、P(販売単価)が下がっても、V(仕入単価)が上がっても、Q(販売数量)が下がっても、F(固定費)が上がっても利益は下がり損益分岐点(利益ゼロのレベル)に到達してしまう。

逆に、目標利益を獲得するためにはP(販売単価)を上げ、V(仕入単価)を下げ、Q(販売数量)を上げ、F(固定費)を下げれば良いのだが、Pアップの方策(例えば値引きをしない)、Vダウンの方策(例えば相見積もりを取る)、Qアップの方策(例えばリピーターを増やす)、Fダウンの方策(例えば多能工化を図る)を経営者の皆さんと会計事務所の担当者が一緒に検討し実践して、その効果を確かめて経営改善を推進するのである。

香川県から参加いただいた公認会計士の三好貴志男先生からは次のような感想を述べて頂いた。
「財務会計にはQ(販売数量)の考えが無い。だから4つの損益分岐点がみえてこない。柴田先生からそう言われて、はっと驚きました。価格を下げれば、売上数量は増え、利益が増えると何となく考えているのが殆どの赤字企業の経営者です。結果として、現場の担当者や経営者は安易に値下げ、値引きをして会社を痛めてしまっています。
MQ会計では、価格を引き下げるとどうなるか等をP,V,Q,Fの4つの視点で図形と数値でわかり易く見える化し、議論することが出来ます。あさひ会計では、若い人が本気でMQ会計を提案して、会計人として生き生きと働いていることに感銘を受けました。」

あさひ会計では、“会計人の役割は、試算表を作り、決算書を作り、申告書を作ることだけではない。経営者の皆様にとって役立つ財務情報を提供することが、会計人にとってもっとも大切な仕事だ”と考えている。経営者の皆様にとって有用な情報とは、部門別損益であったり、キャッシュフロー計算書であったりするが、さらにMQ会計は、対前年比較で4つの損益分岐点の要素ごとに利益増減分析を可能とし、実践的な経営計画の策定をも可能とする優れた経営改善手法である。