生き方(2014_5月号)

あさひグループ代表 柴田健一 生き方(2014_5月号)

6月17日に京セラ名誉会長の稲盛和夫氏が「盛和塾山形」が主催する県民フォーラムで講演するために来県する。稲盛氏はご存知の通り京セラを創設し、KDDIを立上げ、日本航空を再建した名経営者だが、今回は山形県の一般市民の方々に向けて「人は何のために生きるのか」と題してお話される。

稲盛氏の著書『生き方』は中国でも大旋風を起こし、翻訳書の販売数は150万部を越え“拝金主義”の中国を変えるのではとまで言われている。中国に人たちにいわせると1300年前鑑真は日本に真の仏教を伝えるため中国から渡った。いま稲盛氏は真の経営とは何かを中国に伝えようとして日本からやってきたとして、中国での稲盛氏の講演会には毎回数千人の観衆が押しかけるのだそうだ。

稲盛氏は「人生も経営も原理原則はシンプルだ」と説く。さまざまな事象は単純にすればするほど本来の姿、真理に近づく、行き着くのは「人間として何が正しいか」という単純なポイントだという。魂というものは「生き方」次第で磨かれもすれば曇りもする、私たちは生き方によって気高くもなれば卑しくもなるというのだ。

そのうえで「人間として正しいこと」とは嘘をつくな、正直であれ、欲張るな、人に迷惑をかけるな、人には親切にせよ・・・といった子供のころ親や先生から教わるような人生の当然のルール、当たり前の規範だという。しかし私は最近では親も教師もこの当たり前のルールを子供たちに厳しく教えていないように思えるし、経営の現場でも私利私欲や公私混同があるのが現状ではないかと感じている。私自身も一層気を引き締めなければと思う次第だ。

稲盛氏は、“人生の結果“を“考え方×熱意×能力“という方程式で表現し、中でも考え方は人生を180度変え、人生を決めるとまでいう。この“考え方“というのが、「生き方」であり、「哲学」、「理念」というわけだ。そして、今日一日をど真剣に、目の前のことにあふれる熱意を持って、没頭して生きることが大切だと説いている。この世の中に無駄なものはいっさいない、「今日を完全に生きれば明日が見える」と自身の体験から語っている。

『生き方』という本は企業の経営者や中間管理職の方々のみならず、20歳の学生から主婦や85歳の男性まで幅広い層の方々に読み継がれ「日本人として誇りを持つことができた」、「自分のすべきことが明確になった」と様々な感動を呼び起こしている。皆様にも是非この本をお読み頂きたいと思うとともに、来月、開催される県民フォーラムでの稲盛氏の話がどのようなものになるかも楽しみであり、皆様にも是非講演会にお出掛け頂ければと思う次第である。

 

 

 

 

 

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