被災地応援ファンド(2013_4月号)

被災地応援ファンド(2013_4月号)

監査6部チームマネージャー  橘 慎一郎

東北地方太平洋沖地震が発生してから2年が経過しました。政府だけではなく、民間のボランティアをはじめ、いろいろな方が復興支援を行っています。その中で、皆様にご紹介したい支援方法があります。

被災地支援について、いろいろ調べていく中で、「被災地応援ファンド」なるキーワードを見つけ、あるサイトにたどりつきました。民間の会社が運営しているのですが、ホームページでは、東日本大震災の被災から立ち上がる事業者を、出資を通じて応援すると定義されています。

このファンドの一つ目の特徴は、半分投資、半分寄付で資金を調達して、出資を受け入れたい企業の一覧から応援したい企業を自分で選ぶことができます。ファンドなので期間が決まっているのですが、長期間にわたり、一番長いファンドで10年間というものがあるようです。もちろん出資を受け入れたい企業の事業計画も掲載されていますので、今後どのように復興を目指していくかもわかります。

二つ目の特徴は、被災地応援ファンドの対象事業者を「出資」だけでなく、「購入」を通じて応援していくことです。事業者の製造したものを、購入することで、出資ではない支援も出来ます。出資を受け入れた企業もファンド資金を使うことにより、設備資金等に活用し事業再開につながるだけではなく、企業の経営基盤を改善することもお手伝い出来ます。

2011年11月の金融庁の発表資料によると、「資本性借入金」の積極的な活用を促進することにより、東日本大震災の影響や急激な円高の進行等から資本不足に直面している企業のバランスシートの改善を図り、経営改善につながるよう、検査マニュアルの運用の明確化を行うこととしたとの発表がありました。条件を満たすファンドを使用することで、「資本性借入金」を「資本」とみなすことができ、債務超過であっても金融機関から新たな融資を受けやすくし、事業の存続や復興の加速につながることになります。

年数が経過するにつれ、ボランティアの数も減少し、関心も薄れつつあります。その中で、我々ができる小さな支援を継続していきたいと思います。

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