駅伝観戦のすすめ(2015_10月号)

駅伝観戦のすすめ(2015_10月号)

総務部  玉井 博子

風の冷たさに秋の気配を感じる季節になってきました。
秋といえば食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋など、様々に思い浮かべられると思います。私は秋の気配が深まると駅伝シーズンの到来を感じ、心が弾みます。

駅伝といえば箱根駅伝を思い浮かべる方が多いと思います。大きな大学駅伝の大会は箱根を含め3つあり、これらを大学3大駅伝と呼びます。
まず1つ目が出雲駅伝です。出雲駅伝は3つの大会の中でも一番距離の短い、6区間約45㎞と2時間ほどで勝負がついてしまいます。
2つ目が全日本大学駅伝(伊勢)です。こちらは熱田神宮から伊勢神宮までの8区間100㎞強、出雲から比べると一気に倍以上の距離になります。
そして3つ目が言わずと知れた箱根駅伝です。やはり箱根駅伝は他2つと比べても規模が違います。出雲、伊勢、箱根で優勝することを3冠と呼びますが、走っている選手たちにとっても箱根は3つの中でも別格。箱根で勝たないと意味がないとまで言われます。
箱根駅伝は2日間にわたって繰り広げられ、距離も一気に伸びて、往復10区間約220㎞。宣伝も大々的に行っていますし、箱根駅伝だけは見るという方も多くいらっしゃると思います。
しかし、出雲駅伝、全日本大学駅伝、そして箱根の予選会、この3つを見ることで箱根駅伝をより楽しむことができます。
駅伝の名門・駒澤大学は伊勢で現在4連覇中です。しかし、今年1月の箱根駅伝は2位、その前回大会も2位と箱根ではここ数年、涙をのんでいます。

箱根駅伝の予選会は毎年立川にある昭和記念公園で行われます。予選会も実際にみてみると、駅伝とは違った面白さがあります。本大会のように襷をつなぐのではなく、各チーム10名以上14名以下で出場し、参加選手が一斉にスタート、上位10名のタイム合計が少ないチームから10校が本大会への出場権を得ます。予選会の参加校数は約50校、人数は500名以上となり、その人数が一斉に走り出す様子はなかなか圧巻です。

世界陸上にも出場していた双子の村山謙太・紘太選手も大学時代駅伝を沸かせた選手でした。兄の謙太選手は駒沢大学で1年生の時から活躍し、弟の紘太選手は、城西大学で度々予選会にも出場、いつも日本人選手の中では独走状態で、4年生の時にはついに外国人選手も抜き、予選会1位で終えました。しかし、10名のタイム合計で出場権が決まる予選会ではチームとしての順位が重要となるため、城西大学の予選通過はいつもギリギリで毎回ハラハラさせられました。
4年生時の本大会では花の2区での双子対決が実現し、デッドヒートの末、わずか3秒差で弟紘太選手に軍配があがりました。 

駅伝にはいつもドラマがあります。
どんなに強いチームでも箱根では勝てなかったり、あまり注目されていなかったチームが優勝することもあります。箱根駅伝をより面白く観戦するために、是非その前哨戦、出雲駅伝、全日本大学駅伝、予選会を観戦してみてください。

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