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令和2年分年末調整の留意点 ~「ひとり親控除」「寡婦控除」について~(2020年_9月号)

山形事務所 税理士 天口 成美

 

令和2年分の年末調整は、給与所得控除・基礎控除の引き下げ、所得金額調整控除・ひとり親控除の創設、寡婦(夫)控除の改正、配偶者控除・扶養控除などの所得要件の見直し等が適用されます。今回は「ひとり親控除」「寡婦控除」についてご紹介します。

 

1.改正の概要

(1)ひとり親控除の創設

これまで、同じひとり親であっても、離婚・死別であれば寡婦(夫)控除が適用されるのに対し、未婚の場合は適用されず、婚姻歴の有無によって控除の適用が異なっていました。また、男性のひとり親と女性のひとり親で寡婦(夫)控除の額が違うなど、男女の間でも扱いが異なっていました。

今回の改正では、全てのひとり親家庭に対して公平な税制支援を行う観点から、婚姻歴や性別にかかわらず、生計を一とする子(総所得金額が48万円以下)を有する単身者(所得金額が500万円以下)について、同一の「ひとり親控除」(控除額35万円)が適用されることとなりました。

(2)寡婦控除等の改組

ひとり親以外の寡婦については、引き続き寡婦控除として、控除額27万円が適用され、子以外の扶養親族をもつ寡婦については、男性の寡夫と同様の所得制限(所得500万円以下)が設けられました。

詳しくは頁下の図をご覧ください。

 

 

【留意点】

・ひとり親控除、寡婦控除のいずれについても、住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」の記載がある(=事実婚とみなされる)方は対象外です。

・特別の寡婦控除及び寡夫控除は廃止されました。

2.手続き

令和2年分の源泉徴収事務においては、月々の給与等に対する源泉徴収は改正前の控除が適用されていますので、令和2年4月~12月までの月々の源泉徴収において、この改正に伴う手続きは必要ありません。

ただし、令和2年分の年末調整において、下記に該当する方は令和2年の最後の給与等の支払を受ける前日までに、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を給与等の支払者に提出する必要があります。

 

 

【申告書へ記載(変更)が必要となる方】

①改正前:「寡婦(夫)」又は「特別の寡婦」の非該当者

改正後:「ひとり親」の該当者

記載欄が設けられていませんので次の例のように記載をして申告してください。

 

 

②改正前:「寡婦(夫)」又は「特別の寡婦」の該当者

改正後:「ひとり親」又は「寡婦」の非該当者

令和2年分扶養控除等申告書にチェックを付けていた「寡婦(夫)」又は「特別の寡婦」欄を二重線により抹消するなど、適宜の方法により申告してください。

③改正前:「寡夫」又は「特別の寡婦」の該当者

改正後:「ひとり親」の該当者

令和2年分の年末調整においては、ひとり親に該当する旨を申告する必要はありませんが、ひとり親控除(控除額35万円)が適用されます。

改正前「寡夫」に該当している場合、既に提出済の扶養控除申告書の「寡夫」欄にチェックがついていますが、寡夫控除として27万円の所得控除を適用することのないようご注意ください。

 

今回の改正によって新たに対象となる方、反対に、対象とならなくなった方がいますので、従前の要件との違いにご留意ください。

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