経営者保証ガイドラインの活用について(2018年_10月号)

経営企画室 中小企業診断士 松浦 寿雄

 
 「経営者の保証なしで当社は融資を受けられますか?」最近、弊法人ではこのような問い合わせが相次いでおります。

 「経営者保証に関するガイドライン」(以下、経営者保証GLとします。)は、平成25年12月5日に公表され、平成26年2月から適用が開始されました。金融庁は、担保・保証に過度に依存しない融資を促進させるための手段の一つとして経営者保証GLを打ち出し、融資慣行としての浸透と定着に向け取り組んできました。適用開始後4年が経過し、民間金融機関での経営者保証GLの活用実績は着実に増加しているものの、新規融資に占める経営者保証に依存しない融資の割合は約16%に留まっています。

 経営者保証GLは、「保証契約時等の課題への対応」と「保証債務の整理(履行時)の課題への対応」の2つの柱で構成されています。今回は、「保証契約時等の課題への対応」についてGLの概要を説明します。

(1)中小企業に求められる対応
① 企業と経営者との関係の明確な区分分離
② 財務基盤の強化
③ 財務状況の明確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性確保 等

(2)金融機関に求められる対応
 経営者保証に依存しない融資の促進に向 けた態勢の整備が求められています。
① 停止条件または解除条件付保証契約
② ABL(動産・売掛金担保融資)
③ 金利の一定の上乗せ等の経営者保証の機能を代替する融資手法メニューの充実

(3)既存の保証契約の解除の対応中手企業において経営の改善が図られたこと等により既存の保証契約の解除等の申入があった場合として金融機関には以下の対応が求められています。
① 対象債権者はその内容に応じ、真摯かつ柔軟に検討を行うこと
② 結果についての丁寧かつ具体的な説明
 
 金融庁が公表している「経営者保証GLの活用に係る参考事例集」には、「8.事業性評価の内容を考慮して経営者保証を求めなった事例」、「10.保全不足ではあるが、経営者保証を求めなかった事例」、「11.債務超過であるが、経営者保証を求めなった事例」が掲載されており、その対応は参考になります。いずれも《十分なキャッシュフローの確保》、《財務状況等の適時適切な開示》、《良好なリレーションシップ》がキーワードです。
 個別の相談に際し、金融機関の他、商工会や商工会議所、(独)中小企業基盤整備機構が窓口となり専門家派遣も制度化されています。あさひ会計では、企業の実情に合わせた相談と助言を行っております。将来の機動的な事業展開に向け、経営者保証GLに係る助言を受けてはいかがでしょうか。

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