平成30年度予算編成大綱 税制改正大綱から(2018年_1月号)

公認会計士・税理士 田牧 大祐

 平成30年度予算編成大綱では、第一に日本経済の持続的成長のための生産性向上が挙げられており、今後3年間、「生産性革命」の集中投資期間とし、大胆な税制、規制改革を総動員するとしている。

特に第4次産業革命を踏まえて産業、組織を超えたデータの利活用、サイバーセキュリティ対策、AI等を推進、ICTの高度化・利活用とともに、中小企業のITによる生産性向上を促進し、この「生産性革命」により、生まれた果実を賃金、設備投資に振り向けるとしている。これを受けて税制改正大綱では、法人税関連の所得拡大税制の改組、情報連携投資等促進税制が創設された。
また、生産性革命の担い手である中小企業の経営者が高齢化し、次世代への事業承継が進んでいないことから、円滑な世代交代を支援するとして、資産課税関連では事業承継税制の大幅な拡充をしている。具体的には、従来の事業承継税制は、中小企業が雇用を守ること(5年平均80%以上の雇用維持)を条件として猶予対象株式(総株式数の2/3まで)について、一定割合の相続税(80%)、贈与税を猶予するものであったが、今回、猶予対象株式数の上限を撤廃、取得した全ての株式とし、納税猶予も贈与税又は相続税の全額(100%)、ハードルを高めていた雇用確保要件も弾力化、一定の場合言い訳を認める(一定の書類等が必要)こととしている。その他、いくつかの条件も緩和されている。事業承継税制はこれまで利用があまり進まず、段階的に利用しやすく改正されてきたが、世代交代を推進するためにここまで来たかと感じる内容となっている。

平成30年度予算編成大綱、税制改正大綱は、日本経済を支え、雇用を守り、今後、生産性向上、賃上げを進めるために、最も支援すべきものは、担い手である中小企業の経営者、後継者であることを明らかにした内容であった。
昨年、あさひ会計では、これまでにない多くの中小企業の事業承継対策を行った。ここ数年、経営者や後継者の方からの相談が急増していることを感じていたが、今年は、ますます中小企業の事業承継が進む年になると予感している。

※時限措置としての事業承継税制の特例で、先代経営者要件、後継者要件等各種要件あり。

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