経営の要を「定義」する(2015_12月号)

201510柴田先生経営の要を「定義」する(2015_12月号)

経営とは、一言で言えば「理念」(志)を掲げ、「管理」することなのだが、経営者や社員が業務を行う上での経営指針や共通の価値観としての「経営理念」も、その「経営理念」を実現するために必要な利益や売上を確保する手段としての「管理」も、経営の神様といわれるP.F.ドラッカーに言わせれば「定義」することにより誰にも理解でき、方向が見え、実現するのだという。

あさひ会計の経営理念は「私たちは質の高い仕事を通じ、顧客企業の継続発展に貢献します。」というものだが、「質の高い仕事」とは何か、「継続発展に貢献する」とは何かを「定義」している。あさひ会計でいう「質の高い仕事」とは次の5項目であり、あさひ会計では「5つの商品」と呼んでいる。

①守秘義務・・・業務上知り得た秘密は他に漏らさない。
②有用な情報の提供・・・経営者にとって有用な財務情報を迅速に提供する。
③経営アドバイス・・・MQ会計やキャッシュフロー分析を実施し経営のポイントを経営者と討議する。
④業務改善・・・仕事を通じ業務がより効率的になるよう改善提案する。
⑤節税・・・合法的な節税は積極的に提案する。

もう一つの「継続発展に貢献する」とは、企業にとってもっとも大切なことは「存続し続けること」であり、あさひ会計の「5つの商品」によって財務的には経営を黒字化し、自己資本比率を高めることにより企業が存続し続け発展するよう支援することである。

勿論、経営全般としては「変化しないリスク」は「変化することによるリスク」より高いといわれており、取り巻く環境変化に対応する為に「事業内容」「販売方法」「顧客」等を変化させ続ける経営革新(イノベーション)が、企業が存続し続ける為の必須条件となる。

あさひ会計では、財務情報の面から、どの「事業」が儲かっているのか、あるいは儲かっていないのか、どの「販売方法」が儲かっているのか、儲かっていないのか、どの「顧客」が儲かっているのか、儲かっていないのかを経営者の皆様にお伝えするのが基本的な役割だと考えており、経営革新(イノベーション)に資することを旨としている。

さて、「管理」の定義だが、いくつか例を挙げてみたい。「人事管理」とは、会社としてその人に何を期待しているのかを伝えること。人間が人間を評価するなど不可能である。あなたに何を期待しているのかを明示することで成果は実現する。「品質管理」とは、決められたことを愚直に守ること。大企業と中小企業との差は決められたことが守られているか、守られていないかである。「コスト管理」とは、リードタイム(=加工時間+停滞時間)を短くすること。人間は放置すると必ずしも必要でないことをどんどんやり始める。

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