遺言制度の見直し(2018年_11月号)

山形相続サポートセンター 岡﨑 美希

 
 皆様はご自身の相続について考えられたことはありますでしょうか。当法人の相続の専門部署である“相続サポートセンター”では、相続税の申告はもちろん、ご自身の思いを遺すことができる遺言作成のサポートも行っております。
遺言には、自筆で遺言書を作成し、日付、氏名を記入の上押印する「自筆証書遺言」と公証役場で二名の証人の前で遺言内容を公証人に申し述べ、公証人が遺言書を作成する「公正証書遺言」があります。
それぞれのメリットとデメリットは下記の通りです。

[自筆証書遺言]
◎メリット
・費用がかからない
・手軽にいつでもどこでも書ける
・誰にも知られずに作成できる

△デメリット
・家庭裁判所での検認手続が必要
・不明確な内容になりがち
・形式の不備で無効になりやすい
・紛失や偽造・変造・隠匿のおそれがある

[公正証書遺言]
◎メリット
・公文書として強力な効力をもつ
・家庭裁判所での検認手続が不要
・死後すぐに遺言の内容を実行できる
・原本は公証役場に保管されるため、紛失、変造の心配がない

△デメリット
・費用がかかる
・成年者であり、推定相続人やその配偶者、ならびに直系血族等ではない証人が必要
 
 今年、民法(相続法)が改正され、遺言制度について以下の見直しがされました。
1.自筆証書遺言の方式緩和
 これまで、自筆証書遺言は「全文を自書する」こととされているため、誤字などによるトラブルも起きていました。そのためその方式が緩和され、自筆証書遺言に添付する財産の一覧を示す「財産目録」については、通帳のコピーや、パソコンで目録を作成したものを添付してもよいこととなりました。ただし、財産目録の全ページに署名押印する必要があります。

2.自筆証書遺言のトラブル防止
 自筆証書遺言を法務局で保管できるようにして、相続人が遺言の有無を調べられる制度が導入されることになりました。これにより相続から何年も経過した後に遺言書が発見されて遺産分割協議がやり直しになるといったトラブルを防ぐことができます。

 また、家庭裁判所で相続人が立ち会って内容を確認する「検認」が終わらなければ遺言の執行が出来ませんでしたが、自筆証書遺言を法務局に預けた場合は、「検認」の手続がいらなくなります。
“遺言書が書いてあったらよかったのに”というケースは、①家業を継ぐお子様へ財産を残したい②相続人やお子様がいない③相続人の数が多い④家族構成に複雑な事情がある⑤子供たちの仲が悪い⑥相続に自分の意思を反映させたい場合など、多く存在します。

 相続サポートセンターでは一時間の無料相談を行っております。相続や遺言についてご相談がありましたらお問い合わせください。

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