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ふるさと納税の恩恵(2018年_8月号)

公認会計士・税理士 田牧 大祐

 平成29年度第1位は大阪府泉佐野市。これは先月6日に総務省より発表された平成29年度ふるさと納税受入額の自治体ランキングである。これに次ぐのは宮崎県都農町、都城市であり、それぞれの受入額は79億円(43万件)、74億円(52万件)であるが、泉佐野市の受入額135億円(86万件)はダントツ1位(前年は8位)である※1。この受入額135億円は、泉佐野市の歳入の4分の1を占めるほど多額なものだ。
 
 ふるさと納税は、納税者側からは
 ① 応援したい自治体(寄付先)を選択できる
 ② 寄付の使途を選択できる
 ③ 返礼品がある(場合がある)
というメリットがある。

 一方、徴税側からみると、納税者に税(所得税、住民税)を前納させる制度(翌年の納税分を前年に寄付)として有効に機能しており、地方と大都市圏の税収格差調整※2や災害に対する民間からの寄付※3など有効に機能している点は数え切れない。そして何より納税者に地域を応援している満足感を与え、気持ちよく納税(寄付)、しかも前納させる点がふるさと納税のすごさであり、かつてこれほどに有効に機能した制度はないであろう。
しかし、税収減になる自治体もあるが、返礼割合3割の注意喚起の大臣通知や高額返礼の見直し意向のない団体の名指し列挙など一定の歯止めも設けている。もちろん泉佐野市は名指しされている。泉佐野市は夕張市に次いで財政が危ないと言われ、2012年度まで破綻懸念の早期健全化団体として最後の一つに残った自治体であり、お上の名指し注意より財政立て直しが重要であろう(泉佐野市は市販ビールの返戻品が人気で品切れになることも)。

 高額返礼がある場合、受入額のうち自治体に実際に残る金額は、返礼品の代金、送料等のコストを引くとの受入額の3割程度ということであるが、返礼品の購入先が地元企業で
あれば地元経済も潤い、地方にとってはありがたいばかりである。最後に、ふるさと納税は、駆け込みで年末にする方がとても多いが、季節のフルーツ、野菜、牛肉等、年間通して、返礼品が充実している山形県内の自治体への寄付もお勧めだ。 
 平成29年度ふるさと納税受入額を県別で見ると、山形県は、北海道、佐賀県、宮崎県についで全国4位である。

※1:平成29年度に20位以内のランキングに入った山形県内の自治体は14位の天童市(約29億円)、宮城県はなし。
※2:「大都会がこんなことで文句をいっとんじゃあかんよ。打ち勝つだけのおもしろい街と産業を作って税収をあげーな!」と、税収減の名古屋市、河村たかし市長のコメント。
※3:地震や豪雨などの災害支援、復興支援など自治体と使途を選択して寄付できる。

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