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ビジネスモデルを紐解く(2021年_8月号)

 

 オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン教授は、論文『雇用の未来』で702の職種のうちコンピュータ技術によって自動化されて「消える仕事」「なくなる職業」37 職種を抽出している。人工知能やロボット等の普及が広範な職業の雇用を奪うと憂慮されているが、職を失うであろう人数は日本では労働人口の約49%に達するという。と同時に「創造性や協調性が必要な業務はどの国でも代替可能性が低い」という結果も得られている。

 コンピュータに代替される37 職種の中には会計事務所に関係する➀データ入力作業員、➁簿記・会計・監査の事務員、➂給与・福利厚生担当者、➃税務申告代行者の4 つの職種が入っており、これはかなりの確率でいずれ会計事務所の仕事がなくなることを示唆している。あさひ会計は将来何を我が仕事とすればよいのであろうか?『ビジネスモデルがわかる』(著者/井上達彦早稲田大学教授)という本を紐解いてみた。
 ビジネスモデルとは「顧客は誰?その価値は何?どのように稼ぐの?適切なコストで顧客に価値を届けるには?」という「儲けの仕組み」といったところだ。ビジネスモデルの創造には3つのアプローチがある。

➀戦略分析アプローチ
 SWOT 分析により内部資源の強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)、外部環境の機会(Opportunities)・脅威(Threats)を分析し、組合せてビジネスモデルを作る手法である。
 星野リゾートは貸切バスでの団体旅行が終焉しつつあるのを受け、団体旅行向けの建物を解体、客室数を半分にして全室に露天風呂を整え、茶室なども備えて個人旅行向けに一本化するとともに、スタッフの仕事を兼務化して労働生産性を高め、日本旅館を外資系ホテルとは対極のプレミアム型モデルに転換している。

➁顧客洞察アプローチ
 現場の観察やインタビューにより、顧客は「何を見ているのか」、「何を聞いているのか」、「何を感じ、何を考えているのか」、「何を言い、どう行動しているのか」を共感マップに整理し、洞察して「顧客が得たいもの、ニーズ、成功基準」(Gain)、「顧客の痛み、恐れやフラストレーション」(Pain)に共感し、感情移入して価値提案をデザインする手法だ。
 オトバンクは高齢者や視覚障がい者の困りごとを解決するために、書籍の内容を音声データにして携帯に配信する事業から始まったが、今やランニング中、電車や車での移動中、家事の最中など生活のあらゆる場面で「ながら読書」を楽しむようになってきており、会員数は130万人を突破し、海外にも進出している。

➂パターン適合アプローチ
 異国や異業種のビジネスモデルの構造をパターンとして読み取り、それを模倣して自社に適合させる手法である。トヨタは、アメリカのスーパーマーケットが、顧客が購入した分だけ補充している仕組みを模倣して「ジャスト・イン・タイム」( 必要な時に、必要なモノを、必要な量だけ) の生産方式を生み出している。
 いまビジネスモデルそのものがパラダイムシフトしているという。新世代ビジネスモデルの潮流を記しておこう。

・自前主義からオープンイノベーションへ(P&G など)
→社内外の技術やアイデアを融和して価値創出
・価値連鎖からプラットホームへ(Airbnb など)
→顧客同士を仲介して仲介手数料を稼ぐ
・売り切りから定額使い放題へ(Netflix など)
・有料からフリーへ(Google など)
→無料にすることで稼ぐ
・所有からシェアへ(Uber など)→第3者への貸出

 さて、あさひ会計が提供する価値とはいかなるものになるのだろうか。乞うご期待である。

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