4月7日に7都道府県に出された緊急事態宣言は、その後全都道府県に拡大されたが5月25日に全国で解除された。この間、人々は接触機会の削減を求められ、宿泊、観光、イベント業界は全滅状態、飲食店は壊滅状態、物流・運送業界もかなりの痛手をこうむり、影響は一部の業種を除き、サービス業、製造業、建設業などほとんどの業界に及んでいる。
あさひ会計では、4月以降社員をA班、B班の2つに分け、交互に在宅勤務を実施して、万が一感染者が出た場合も事務所の閉鎖を回避できるようにするとともに、お客様への訪問も制限させてもらい、会議はオンラインで実施するなどリモートワークを実施してきた。そのような日々が続き、全国的には、緊急事態宣言解除後も働き方をコロナ以前には戻さないという動きも顕著になっている。
日立では在宅勤務をこのまま続けて週2~3日の出社でも働けるようにするといい、サントリーも経費精算の申請・承認などのペーパーレス化を進めグループ会社の9割に当たる7,000人がテレワークを続けるという。「ハンコを押すために出社しないといけない」というハンコ文化の金融業界でも電子契約システム等をさらに普及させてハンコを不要とする「新しい日常」を作ろうとしているなどなど、多くの会社が新型コロナウイルスの感染拡大を契機に働き方を変えようとしている。
ところで「テレワーク」とか「リモートワーク」とか「在宅勤務」と言われているが、何が違うのだろうか?「tel」は離れたところ、「remote」は遠隔という意味で「在宅勤務」とあまり違いは無いらしい。
今回の緊急事態宣言により資本金1億円以上の大企業では83%が、全体でも56%の企業が在宅勤務を実施したとのことだ。私も在宅勤務やらWeb会議とやらを初めて経験したのだが、在宅勤務はWeb会議での朝礼、終礼を行うものの出社時間を気にしなくとも良いのが楽だし、Web会議も思いのほかスムーズで違和感がなかったので馴染めそうだ。
一般に利点としては①通勤のエネルギー損失回避、②仕事の目標が明確になり、段取りを意識し、自主管理能力が高まる、③出張旅費の削減、④家族と過ごす時間増、などがあげられ、欠点として①機器類がなく効率が落ちた、②部下の仕事のプロセスが見えない、③社内のコミュニケーションが希薄に、などがあげられている。大勢としては在宅勤務継続の方向だ。
一方で、Face to Faceの重要性も説かれている。何気ない会話の中でのヒラメキやアイデア、肌感覚での相手との信頼関係、チームワークでの喜びや達成感は何より大事だ。グーグルのCEOピチャイ氏は一緒に働き、ブレーンストーミングをし、創造性を発揮するこの方法を大きく変えるつもりはないと主張する。