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マネジメントへの挑戦(2020年_10月号)

 

5,000社を超える企業を指導し、多くの赤字企業を復活させ、経営コンサルタントの第一人者といわれた一倉定氏の著書『マネジメントへの挑戦』が55年振りに復刻された。

一倉定氏は「事業の成否は社長次第で決まる」と社長だけを対象に指導し、社長を叱り飛ばす厳しさの反面、倒産寸前の会社も引き受け、徹底した現場主義と顧客第一主義で立て直すことから「社長の教祖」「炎のコンサルタント」とも言われた。そして、その人柄に多くの経営者が敬服し、ファーストリテイリング柳井正氏はじめユニ・チャーム高原慶一朗氏、トステム潮田健次郎氏など錚々たる経営者が一倉定氏を生涯の師と仰いだ。

あさひ会計のクライアントであるM工業も創業者社長の急死に伴い後継者が突然社長を引き継いだものの、赤字でいつ倒産するかという瀬戸際にあって苦悶・苦闘の後、一倉定氏の指導を受け、今やベトナム、フィリピン、香港にも進出し、グループ企業で売上110億円を目標とする企業にまで発展している。

M工業の経営計画書は、経営理念に始まり、基本方針、製品・サービス・販売価格に関する方針、得意先に関する方針、内部体制に関する方針から一倉定氏、稲盛和夫氏、鈴木敏文氏等の名言集まで揃え、熟読すればこの会社の経営実態、経営目標が脈々と伝わるいわば社員の経営書となっている。

それでは一倉定氏の指導とは如何なるものなのだろうか。『マネジメントへの挑戦』の中の“計画とは何か”について概説してみよう。

一倉定氏は、「計画とは、将来のことをあらかじめ決めること」であるという。計画とは「今年のプロ野球は、どこが優勝するだろう」といった「予想」ではない。結果に対して責任を持つことであり、あくまでも「そのとおりやる」ことだという。「東京オリンピックは1964年10月10日から開始する」と将来のことをあらかじめ決めてしまうのだから、計画より早くても遅くてもだめである。計画は電車の時刻表のようなものだ。高い水準の計画を立て、死に物狂いの努力をして「そのとおりにやる」これが本当の計画であり、真の誇りだというのである。

できるだけ増産する、できるだけ原価を下げる、という考え方を“できるだけ主義”という。しかし、“できるだけ”というのはどれだけなのか、だれにもわからない。基準がなく評価のしようがない。見かけは立派だが無責任で、臆病者の旗印だ。一倉定氏は、計画は“できるだけ主義”ではだめだ。「いつまでに完成する」、「これだけ安くする」という“これだけ主義”でなければならないと諫める。

計画とは、事前に高い目標を明示し、背水の陣で何が何でもそれを実現するという決意と責任を持つことなのだ。

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