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休み方を考える(2019年_5月号)

 この4月から企業経営者には、残業時間の上限規制や労働者に年次有給休暇を5日取得させる義務が課せられることになった(付与日数が10日以上の場合)。
取得有給休暇については、5日未満の人が1人でもいれば違法になるという厳しいものだ。
調査によれば正社員で有給休暇の取得日数5日未満の違法状態の人は現時点で4割弱いると推定されている。

 欧州諸国では、最低でも2週間くらい連続した休暇でないと、法律上も社会通念でも「休暇」扱いにされない。
企業では年度初めに全従業員に対して年休の希望を聴取し、調整のうえ年間の全従業員の休暇時季と日数を決めてしまい、ほぼそのスケジュール通りに休むのだという。日本政府も今般の「働き方改革関連法案」の施行を機に「休み方」を通して「働き方」を変えていきワーク・ライフバランスを向上させることを目指しているように思える。

 日本人は何故「長時間労働を厭わず」仕事と休みのメリハリをつけられないのだろうか。
先日のパリの国際会議で、フランス人を夫に持ちパリ滞在18年目の元アナウンサー中村江里子さんの話を聞いたのだが、旦那様は一般のフランス人と同様、6時頃にはさっさと家に帰ってきて、ビールを飲みながらテレビでサッカーを見たり、頻繁に自宅や友人宅でホームパーティがあって人生を楽しんでいるという。それでいてフランスの労働生産性は日本より遥かに高い。問題は日本人の長時間労働にありそうだ。

 働き方には労務的視点からみると「メンバーシップ型」と「ジョブ型」とに区分される。
日本はメンバーシップ型の労働構造で、職務領域が限定されておらず、自分の仕事をやりその上でさらに他の領域(人)の仕事にも協力することが評価の対象になるという相互協調型構造になっている。
サッカーで言えば個人技を重視するのか、チームワークを重視するのかに例えられるが、この運命共同体的構造は日本人の良さであり、日本の強みともいえる。しかし、他人が働いているときでも自分は帰る(休む)いう考え方が通用しにくく、長時間労働の要因になっている。

 一方、ジョブ型の労務構造は、「仕事が終わったので、私、帰ります」というのが当たり前の自律型の構造だ。職場には誰かがいなくとも当然という環境が出来ている。いい働き方をするにはいい休み方をしなければならず、ジョブ型では休みを自分のスキルを高めるために使うことが重要となってくる。

 日本人にとって相互協調的、運命共同体的な日本の長所を守りながらも、自律性を高め、自分独自の休み方を考える時代が来ているのだろう。それが自身の働き方を変え、労働生産性向上に寄与することになるのだと思う。

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