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公益法人制度改革のその後(2018年_9月号)

公認会計士・税理士 田牧 大祐

 110年ぶりの公益法人制度大改革がスタートしてから10年という節目の今年、社団法人・財団法人の騒動がクローズアップされている。記憶に新しいところでは、一般社団法人日本ボクシング連盟の騒動、公益財団法人日本相撲協会の騒動、陸上自衛隊富士演習場に関連する10の一般社団・財団法人の100億円を超える賃料申告漏れ問題(一部の団体は、国税不服裁判所へ審査請求)等、様々あった。

 公益法人制度改革は、民間非営利部門の活動の健全な発展を促進し民による公益の増進に寄与するとともに、主務官庁の裁量権に基づく許可の不透明性等の従来の公益法人制度の問題点を解決することを目的とされた。
法人は、一般法人(一般社団・財団)と公益法人(公益社団・財団)に分けられ、これらのうち一般法人は登記のみで設立することが可能となり(※1)、法人の自治にゆだねられた体制となった。公益法人となるためには、認定法で定められた基準(※2)を満たし、その他、経理的基礎(適正な会計処理を担保)等の項目について内閣府・県の公益認定等委員会の審議を経て、認定をもらう必要がある。
しかし実際はこれまで、全日本テコンドー協会や日本生涯学習協議会など、ガバナンスの問題や不適正財務諸表の作成などで、公益認定取消となった事例も少なくない(公益認定取消の場合、保有する財産を国等に寄付しなければならない)。

会計・税務の相談に来る公益法人、一般法人は多いが、最近の相談では重大な問題を抱えているケースが多い。相談にあたり、理事、監事といった役員の公益法人制度についての理解が低いということを感じている。
公益法人、一般法人の運営や会計、税務申告について心配な方、下記チェックで不明点のある法人は、是非相談いただきたい。

<公益法人制度理解度チェック>
• 公益法人の場合、公益性の判定基準について理解しているか
• 公益法人の会計区分について理解しているか
• 役員の欠格事由について理解があるか
• 公益法人の経理的基礎についての理解があるか
• 公益目的支出計画期間中の一般法人は、計画と実績について理解しているか

(※1) 制度改革時に財産を保有していた法人については、公益目的支出計画期間中(その財産を使い切るまで)は、主務官庁の管理が継続される。
(※2) 公益事業を行うことを主たる目的とした法人か、収支相償(黒字にならない)となっているか、遊休財産を多額に保有していないか等。

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