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大廃業時代(2018年_3月号)

 

日経新聞の記事によれば、2025年には6割以上の経営者が70歳を超えるが、現時点で後継経営者が決まっていない中小企業は127万社あると試算されている。このうち休業・廃業や解散する企業の5割は経常損益が黒字という異様な状況だ。
経産省は廃業の増加で2025年までの累計で約650万人の雇用と約22兆円の国内総生産(GDP)が失われる可能性があると推計している。「大廃業時代」の到来である。事業承継を急がなければ、日本の産業基盤は劣化する。
事業承継のうち親子間の承継は、20年前には73%だったがこの5年間の平均では26.7%と半減している。一方、社外の第三者への事業承継、いわゆるM&Aは5.5%から39.3%へと大幅に増加している。また、注目すべきは親族以外の役員や従業員への事業承継が9.1%から26.4%へと大幅に増加していることだ。

事業承継の形態別にそのメリット・デメリットを探ってみよう。

1 親族承継
[メリット]・心情的に受け入れやすい・長期的な事業承継プランの立案が可能・相続対策等でコストを抑えることが可能・所有と経営の一致による迅速な経営が可能
[デメリット]・資質がない後継者が選ばれる可能性がある・親族間の対立が生じやすい

2 第三者承継(M&A)
[メリット]・広範囲から適する会社を選択できる・オーナーは株式売却により換金できる・シナジー効果により業績向上が期待できる
[デメリット]・探索や準備に時間がかかる・仲介会社への費用がかかる・譲渡後、現経営者の意図しない経営が行われるリスクがある

3 親族外役員または従業員承継
[メリット]・対内、対外的に円滑に事業継続が図られる・後継者が事業を熟知している
[デメリット]・株式を買い取る資力がない・親族外役員や従業員に経営者たる資質を備えた者が見つからない場合がある

いずれにしろ現経営者は事業承継前に経営理念を明確にし、特に親族承継や親族外役員・従業員承継の場合は後継者の経営者としての能力を充分に高めておく必要がある。
また、既に後継経営者が決まっている会社にとっては「大廃業時代」の到来は、M&Aによる事業拡大のチャンスだ。
さらに最近目に付くのだが、親族に株式を承継させるとともに、親族外の役員や従業員あるいは外部からヘッドハンティングをして、一定期間経営を引き継いでもらう「資本と経営の分離型承継」も有効だと思われる。

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