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役員退職金 Q&A(2018年_6月号)

公認会計士・税理士 田牧 大祐

経営者の方からの相談は様々あるが、中でも多いのは役員退職金についての相談である。明らかにダメな質問である“やめないけど支給してよいか”、と言ったものから功績倍率、役職別の功労加算等の具体的な質問まで様々である。今回は、よくあるご質問の一部をご紹介する。

Q1 役員退職金はどのように算定するのか
A1 役員報酬月額×役員在任年数×功績倍率で計算されることが一般的。
役員報酬月額は、最終役員報酬とする場合が多いが、最高報酬が認められる場合もある。

Q2 代表権だけはずして、実際は退職しないけどいいよね
A2 ダメです。出社状況(毎日車がある)、会社の席次(机が相変わらず役員室にある)、名刺を注文、銀行融資相談(記録が残る)、取引先の反面調査(重要な経営の意思決定をしている)等、退職していない、経営に関与している事は後からでも立証される。その場合は、支給した役員退職金が全額否認となる。
  なお、代表取締役を退職して身分を取締役ではない会長などに(分掌変更)して引き続き勤務する場合の退職金は税務上も認められる。この場合のポイントは「実質的に退職」しているかどうか。

Q3 功績倍率は代表の場合は一般的に3倍と聞くが、6倍にしても大丈夫か
A3 6倍は危険。過大役員退職金とされる
可能性も。出来れば3倍までで。税務署が功績倍率を否認する場合は、同規模同業種の退職金金額、役員報酬による功績倍率を参考にするが、同規模同業種は、倍半基準(税務署管轄地域の同業の売上が半分から倍で抽出)であり、これは納税者側では把握できない。ただ、特別功労加算などではなく、単純に3倍を超え、金額が1億円を超えてくると、現場の調査官は言わなければいけない状況になる。調査官に一言言わせないためには、功績倍率の根拠や役員退職慰労金規程等の根拠を整備しておくのが懸命である。

法人税法上、役員退職金の支給が否認されないための注意点は以下の通りである。
 ・退職の事実が最も重要。経営に関与しない(机がない、名刺がない、銀行に行っていない等)
 ・株主総会決議は、役員退職金支給の形式的必須要件である
 ・功績倍率が高い場合は、算定根拠とともに、功績についてまとめておく
 ・役員退職金規程は作成しておく方がよい

ぜひ、支給の前にはご相談いただきたい。

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