セミナー「働き方改革時代を生き抜く! 中小企業のための労務対応」(2019年_11月号)

いまの社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 今野 佳世子

 
 あさひ会計グループでは、11月27日(山形)、28日(仙台)に使用者側の労働法務専門の弁護士、向井蘭先生をお招きし「働き方改革時代を生き抜く!中小企業のための労務対応」セミナーを開催します。
 働き方改革関連の法改正は中小企業にとって負担となるものが多いのですが、労務の世界の激動はこれからも続きます。中でも、今後影響が大きいと思われる法改正(見込み)が「賃金請求権消滅時効の延長」です。
 現在、未払い賃金を請求できる期間は遡って2年ですが、3年に延長する方向で厚労省は検討に入りました(10/21日経新聞)。実務上、時間外労働割増賃金の算定方法が正しいかどうか不安が残る、という企業は少なくありません。固定残業代を適法に運用するには工夫が必要なのに、知らずに違法状態の企業もあります。労務管理で100点満点は、なかなか難しいのです。
 未払い賃金の支払いに至る主な契機は、「労働基準監督官による是正勧告対応」と「労働者側からの請求」の2つです。

①労働基準監督官による是正勧告
 平成30年度の時間外労働等割増賃金未払いの労働基準法違反での是正指導結果は、是正企業数1768企業、対象労働者数11万8837人、支払い総額125億6,381万円、平均額1企業当たり711万円でした。遡及期間が3年に延長されれば、対象者、金額は増えるでしょう。負担に耐えられない企業が出るかもしれません。
 ただ、これには②のような個別交渉により支払われた金額は含まれず、日本全国ではもっと多額の遡及支払いが行われているはずです。

②労働者側からの請求
 労働者側についた弁護士が、通常の債権回収などの商取引と同じ感覚で未払い残業代請求を受任し内容証明郵便を送ってきたと思われる事案が増えているそうです。このような場合、労働者側も時間がかかる訴訟による解決を必ずしも望まず、訴訟外で残業代の主張を双方行い、金額面で合意できれば示談成立という手法がとられることがあります。
 向井弁護士は、賃金請求時効延長により未払い残業代請求分野に力を入れる法律事務所が増え、市場規模は2~3倍になると予想しています。現在も、ホームページなどで、労働者に未払い残業代試算をさせ営業する法律事務所は多数あります。退職の意思表示も代行業者がある時代です。退職者等は、元勤務先に自ら接触せずにお金が手に入るので、有料でも労働者側弁護士に依頼するのです。

 人口減少時代の人手不足を背景に、柔軟な働き方を可能にすることで多様な人に力を発揮してもらい成長と分配の好循環を実現するのが働き方改革の狙いです。過渡期の痛みにどう対応すべきか。
 皆様、本セミナーにぜひご参加くださいますようご案内申し上げます。

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