内視鏡と補助金(2017年_6月号)

内視鏡と補助金(2017年_6月号)

株式会社旭ブレインズ 代表取締役 松尾 孝之

先日、内視鏡検査を受ける機会がありました。昔聞いた噂や先入観から不安もありましたが、大きな嘔吐感や終了後のダメージもなく、大変スムーズでした。また、検査結果も「きれいな胃ですね」と言われる程で一安心です。驚いたのが内視鏡で撮影された画像の鮮明さです。直径1cmにも満たないチューブの先にあるライトやレンズで撮影されたとは思えないほど綺麗で明るい画像でした。検査を受けている間はゆとりもなく、どのような機械か確認することもなかったのですが、ネットで「内視鏡」と検索してみると興味深い情報があります。世界の内視鏡市場ではオリンパスが7割のシェアを占めており圧倒的です。1950年頃から研究開発を続け現在に至るとのこと。また、他の日本メーカーもあわせると9割のシェアを日本企業が占めているそうです。医療機器を製造する海外大企業の社名がついた営業車を見るたび、それらの企業の影響力が大きいのかと感じていましたが、分野によって様々なようです。

このような医療機器分野への進出や拡大を目指す山形県内の企業を応援しようと、山形県では補助制度が設けられています。具体的には、医療機器関連の第三者認証(医薬品医療機器等法認証、ISO13485認証)の取得に係る経費の補助です。同様に航空機関連認証(JIS Q 9100認証、Nadcap認証)の取得経費にも補助制度があります。この医療機器分野、航空機分野は山形県が成長分野と位置付けており、「成長分野認証取得支援事業費補助事業」として参入企業を支援しています。ここ数年、国の「ものづくり補助金」に代表されるような補助事業が活発ですが、それに加えて県単位で行われる補助事業も増えてきました。山形県では、中央会や産業技術振興機構を窓口とした「スーパートータルサポート補助事業」があります。これは3つの制度に分かれ、ものづくり補助金と同様に設備投資を支援するもの、試作開発を支援するもの、販路拡大を支援するものがあります。他に小規模事業者向けの制度もあります。
このあさひ通信がお手元に届く時期には「スーパートータルサポート補助事業」の公募は終了していますが、昨年度までの“スーパー”が付かない「トータルサポート補助事業」は、ものづくり補助金と同様ここ数年継続して実施されています。「スーパートータルサポート補助事業」も数年続くのではないでしょうか。また、厚生労働省管轄の助成制度も充実してきました。こちらは新規雇用や人材定着、人事制度整備を助成するものが増えてきています。現在の経済環境や労働環境を更に改善し、安定成長軌道に乗せたいという国の目的に沿った各種の制度です。

 もちろん補助金があっての投資ではなく、初めにビジネスプランや投資計画があり、それを補助するための制度ですが、様々な段階の投資をサポートする制度が充実していることは確かです。ビジネスプラン立案や投資計画の検討と並行して、国や所在県の機関の情報を探索する(中小企業庁や県、中央会、厚生労働省や労働局、ハローワーク等)、金融機関や商工会議所に聞く等の調査で、何らかの補助制度が見つかるかもしれません。もちろんあさひグループでもお手伝い致します。

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