監査2部 村山 香織
商業登記簿を取得しようと申請に行った際に、証明書の種類が複数あって戸惑われた経験はありませんか。
登記は第三者に対して客観的に事実を証明する為に行うものです。その登記された事実を確認できるものが登記事項証明書です。現在の法人の状況を確認できるのは現在事項証明書ですが、金融機関からの借入の際には過去3年前までの履歴も確認できる履歴事項証明書を求められることが多いようです。
登記事項証明書に記載されている事項の違いについてまとめました。
◇登記事項証明書と登記簿謄抄本の違い
1.登記事項証明書
以下の4種類があります。
現在事項証明書
(ア)現に効力を有する登記事項、(イ)会社成立の年月日、(ウ)取締役、代表取締役、重要財産委員、監査役、委員会委員、執行役及び代表取締役の就任の年月日並びに(エ)会社の商号及び本店の登記変更に係る事項で現に効力を有するものの直前のものを記載した書面に認証文を付したもの
履歴事項証明書
従前の登記の謄本に相当するものであり、現在事項証明の記載事項に加えて、当該証明書の交付の請求のあった日の3年前の日の属する年の1月1日から請求の日までの間に抹消された事項(職権による登記の更正により抹消する記号を記録された登記事項を除く。)等を記載した書面に認証文を付したもの
閉鎖事項証明書
閉鎖した登記記録に記録されている事項を記載した書面に認証文を付したもの
代表者事項証明書
資格証明書に代替し得る証明書であり、会社の代表者の代表権に関する事項で、現に効力を有する事項を記載した書面に認証文を付したもの
2.登記簿謄抄本
登記所のコンピュータ化に伴って閉鎖された登記簿など、コンピュータで管理されていない登記簿について、謄本(登記用紙の全部を謄写したもの)又は、抄本(登記用紙の一部だけを謄写したもの)として交付する証明書
以前は他の登記所の管轄に属する会社の登記事項証明書は、その登記所に直接取りに行くか、郵送で請求する方法しか認められていませんでしたが、対象となる会社の本店所在地を管轄する登記所、商号、本店所在地がわかれば、最寄りの登記所からも請求することが出来るようになっています。
例えば、山形の法務局で、東京に本店がある会社の登記事項証明書を請求しても、山形で受け取ることができます。また、法務省オンライン申請システムを利用して、インターネットで登記事項証明書を請求し、郵送で送付してもらうこともできます。
出典:法務省、商業・法人登記Q&A