固定資産税が最大で3年間ゼロに ~新規取得設備の固定資産税の特例~(2020年_8月号)

仙台事務所 税理士 岡﨑 峻也

 

中小企業が新品の設備を導入した場合の支援策として、赤字企業でも使える節税対策についてご紹介します。

会社が支払う税金には、大きく分けて3つあります。

これらの税金のうち(1)については黒字である場合しか課税が生じませんが、(2)や(3)はその課税の根拠を利益としていませんので、赤字企業でも納税が発生します。

今回ご紹介するのは(3)の固定資産税の減免についての制度です。

本制度は、中小企業と大企業との格差が拡大傾向にあることや、中小企業が所有する設備の老朽化が大企業に比べ進んでおり、生産性が伸び悩んでいる原因の一つとなっているという現状を背景としています。

そこで中小企業の設備投資を促すため、『導入促進基本計画』を策定し国の同意を得た市区町村において、対象設備を導入する企業が認定を受けた場合、固定資産税がゼロになるという措置が創設されました。

 

措置を受けるための手続きは

この措置を受けるためには市区町村へ『先端設備導入計画』を提出し、設備投資前に認定を受ける必要があります。

『先端設備導入計画』には、設備投資後向こう3~5年間の期間で、労働生産性が年平均で3%以上向上する投資であることを、具体的な数値で示す必要があります。

 

 

上記の算式による労働生産性が3%以上向上する投資が対象ですので、パソコンやエアコンを買った、などだけでは要件達成は難しいかもしれません。

申請書には証明書と確認書が必要

対象設備は、販売時期が最近のものであるのが条件です。設備の購入先を通じて工業会等が発行する「証明書」を取得する必要があります。それらが揃えば、認定支援機関に依頼して、計画書や設備について確認書の発行を受けます。認定支援機関とは、国が認定する公的な支援機関で、あさひ会計も認定を受けています。これらの書類を市区町村に提出して認定を受けます。

固定資産税の減免率や減免期間は、市町村によって異なりますのでご留意ください。

 

経営力向上計画との併用も可能に

「経営力向上計画」は「先端設備導入計画」と名称が似ていて紛らわしいのですが、所得に対して(法人税、所得税等が)優遇される制度です。設備要件については酷似しています。右頁にはその制度の比較を載せていますので参考にしてください。

あさひ会計では、これらの申請や計画書の作成の支援を行っております。詳細な要件がありますので、設備投資をされる際は、弊法人担当に事前にご相談ください。

 

 

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