株式会社旭ブレインズ 代表取締役 松尾 孝之
とある研修準備のため、『仕事の報酬とは何か』(田坂広志 著 PHP文庫)を読みました。その本では、仕事の報酬は「収入」や「地位」は当然のことながら、「能力」「仕事」「成長」を求めなければならない。「収入」や「地位」という目に見える、結果として得られる報酬だけを求めるのではなく、目に見えない、自ら求めて得るべき報酬に目を向けるべきだと述べています。
「能力」とは、いま行っている仕事を上手にこなすことが出来るスキルのことです。製造職なら技術力、営業職なら対人折衝力など「能力」をつける、つまり「腕をみがく」ことにより「達成感」と同時に「喜び」が得られます。
「仕事」とは、良い出来の仕事を残すということです。「商品」の作成過程で、今以上に熱意や創意工夫を加えて「作品」レベルの仕事をすることであり、形のないものを売るサービス業においては「心に残るサービス」をすることだそうです。
「成長」とは、「人間としての成長」であり「こころへの処し方」を身につけることです。自分の気持ちを律する力や他者の心を忖度する力、集団心理と格闘する力などを身につけると「人間としての成長」が得られるでしょう。
より高い給料やキャリアアップを目指して転職するケースがありますが、それらは結果として得られる報酬であり、その前に「能力」「仕事」「成長」に目を向けることにより「働くことの喜び」も得られると説いています。私共旭ブレインズでは新入社員研修を行っていますが、その中でも同様の講義をしておりこの本に共感を覚えました。
もうすぐ春、新入社員を迎える会社様も多いことでしょう。求人倍率も徐々に上がってきており、貴重な人材の将来に期待していらっしゃることと思います。1月、2月にお届けした『あさひ通信』に、新入社員研修のご案内を同封しておりましたので、ぜひ受講のご検討をお願いいたします。
また、新入社員の方々には『仕事の報酬とは何か』を併せてお読みいただくと、仕事に対する意識が高まることでしょう。