日本人の心(2026年_3月号)

ミラノ・コルティナ2026 冬季オリンピックで日本は、24 個というメダルの数もさることながら選手の礼儀正しさ、立ち居振る舞い、心遣いといった日本の文化が世界中から大きな称賛を受けた。

なかでも開会式で日本選手団は日の丸と開催国であるイタリアの国旗をもって入場行進し大きな反響を呼んだ。また、日本選手団が選手村を退室する際は部屋をきれいに掃除し、テーブルの上には1 羽の折り鶴と感謝のメッセージが残されていたことが報じられ、さらに、選手が金メダルを獲得し日の丸が掲揚され「君が代」が流れると歌詞が英語とイタリア語に翻訳され表彰式のスクリーン映し出されたのだが、戦いや勝利を歌う国歌が多い中で、「君が代」の歌詞の「あなたの命が長く続きますように」という祈りのようなメッセージが静かに人々の心を打ったという。

これらは千数百年をかけて磨かれてきた日本人の魂、日本人の心の美しさなのだろう。
最近、多くの方々に「経営者にとって必要な資質とは何か」と聞かれる。私は多くの経営者と接してきて、経営者には「哲学」が必要であり、哲学のない経営者は結局続かないと思っている。

稲盛和夫氏によれば、哲学とは「人間として何が正しいかを判断基準」とすることであり、「使命感」であり、「利他の心」だ。これらはまさにミラノ・コルティナ冬季オリンピックで日本選手団が示した「日本人の心」に通じるものだろう。

稲盛氏は「経営哲学は高慢なものではなく、プリミティブ(原始的)なものだ」という。誰もが子供のころ教わる「正直であれ」、「約束を守れ」、「感謝の心を持て」といった人間の根源的な価値観だ。

この「人間として何が正しいか」を判断基準とする哲学は当たり前のことであるが実践は難しい。
だが、この経営哲学を社員一人一人が自分のものにしたとき会社は万全なものになる。

稲盛氏が考える経営者の要件は、著作「経営12 ヶ条」に凝縮されている。経営者に必要な主な資質についてあげてみよう。
1.事業の目的・意義を明確にする
2.具体的な目標を立てる
3.強烈な願望を心に抱く
4.誰にも負けない努力をする
5.常に創造的な仕事をする

現在あさひ会計ではホームページを更新すべく委員会を立ち上げて議論をしているところだが、コンサルタントから「あさひ会計が目指しているものは何ですか?それが実現出来たらどんなことが起きますか?」という質問を頂いた。
あさひ会計の経営理念の一つに「私たちは質の高い仕事を通じ顧客企業の継続発展に貢献します。」という文章がある。まさにあさひ会計が目指している事業目的だが、泥臭く言えば、あさひ会計は「赤字企業を黒字に、黒字企業をもっと黒字に」するために貢献します、ということだ。そして、その武器となる「質の高い仕事」とは ➀顧客別あるいは商品別の損益を明確にし、不採算の仕事を改善する、改善できなければ止める、➁MQ 会計を実施し、P(売単価)を上げる、➂V(仕入単価)を下げる、➃Q(数量)を上げる、➄F(固定費)を下げるという作業を毎月実践することだ。

その結果、赤字企業が黒字、黒字企業がもっと黒字になれば➀従業員の賃金アップが可能になり、従業員は安心して働ける、➁仕入先は貸倒れの心配が低減する、➂金融機関も低リスクで資金提供が出来る、➃売上先はサプライチェーンの破綻の心配がなくなる。➄黒字化することにより会社は税金を納め社会に貢献することが出来る。

あさひ会計も経営哲学がまだまだ確立しておらず、具体的な目標掲げ、強烈な願望をもってまい進する必要があろう。

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