知っておきたい「贈与税」「相続税」の基礎知識(2017年_12月号)

税理士・行政書士 白田 文

 あさひ会計では、「相続サポートセンター」を設置しております。相続専門のスタッフが、相続手続きから相続税申告までのあらゆる案件に対応しています。今月号から、相続税について知っておいて頂きたいことをご紹介させていただきます。

第1回は「贈与税」についてです。実は「贈与税法」という法律は存在せず、贈与税は相続税の補完税として考えられています。
相続税は相続開始の時点で存在する財産を対象に課税されますが、もし相続税の課税が予期されるのであれば、生きているうちに財産を誰かに譲ってしまい相続税の負担を減らそうと考える人がいてもおかしくありません。生前に贈与した人としていない人で相続税の負担に大きな不平等が起こってはいけないというのが、補完税といわれる所以です。

それでは、贈与税について詳しくみていきましょう。
①どんな税金
個人が個人から財産をもらったときにかかる税金です。個人が会社などから財産をもらった時は贈与税ではなく所得税がかかります。
②課税の対象期間と課税の対象
贈与税は暦年(1月1日から12月31日までの1年間)に一人の人がもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります(申告期限は翌年3月15日)。1年間にもらった財産の合計額が110万円以下ならば贈与税はかかりません。
仮に、1年間でAさんとBさんそれぞれから100万円をもらった場合は、一人の人が1年間にもらった財産の合計額は200万円ですので、200万円-110万円(基礎控除額)=90万円が贈与税の課税の対象となります。

③税率は?
贈与税の税率は、「一般贈与財産」と「特例贈与財産」の2種類があります。
特例贈与財産とは、その年の1月1日において直系尊属(祖父母や父母など)から20歳以上の者(子や孫など)への贈与をいいます。一般贈与財産とは、「特例贈与財産」以外をいいます。(兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から未成年の子への贈与や第3者間での贈与など)

〇贈与税(暦年課税)の税率構造

(税額の計算例)贈与財産(「特例財産」に該当)の価額が500万円の贈与の場合
基礎控除後の課税価格 500万円-110万円=390万円
贈与税額の計算 390万×15%-10万円(控除額)=48.5万円

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