研修の手引き(2012_12月号)

研修の手引き(2012_12月号)

株式会社旭ブレインズ  松尾 孝之

最近、老人介護施設でのリーダー研修の機会を数回頂き、講師を務めさせていただきました。その際には研修後のアンケートを推奨実施しており、皆様の評価が気になるところです。

研修実施にあたり、新たな気づきを得ていただくことや研修後の行動変容が可能になるよう精一杯準備し実施します。研修のタイプ(知識習得重視、課題検討重視等)にもよりますが、研修後の実感としてはお伝えする情報量や資料のページ数、講師の気合いの入れ方よりも、研修中のコミュニケーション量が研修の出来映えを左右している気がします。特に介護施設に勤務するコミュニケーション能力の高いリーダーの方々が参加する場合にはなおさらです。研修テーマに関する講師との、あるいは参加者同士のコミュニケーションが多いほど、研修後の満足度が高いように感じます。

アメリカの経営者であり経営学者でもあるチェスター・バーナード(1886~1961)は、組織が成立し成功する条件として、次の3つを挙げています。

研修の手引き(2012_12月号)

これを、研修というプロジェクト組織が成功する条件としてあてはめてみると(かなり強引ですが…)、

研修の手引き(2012_12月号)

と考えることができます。

つまり、参加者の課題に合う講義や演習、研修中のコミュニケーションが実現できれば“成功”で、加えて課題解決の道筋が見えてくれば“大成功”と呼べるのではないでしょうか。特に演習やコミュニケーションを互いを良く知る間柄で行う場合は、研修テーマに沿って職場の課題を議論する場となりますが、活発であればあるほど研修そのものの評価も高いように感じます。

また、研修のアウトプット(例えば演習での記入用紙等)も、各人が記入するよりもチームで意見交換し見いだした結論をまとめた方が、共通認識ができているため職場で実践されやすい内容になっていることが多いようです。研修を成功させるためには、講義のテーマや内容の充実はもちろん参加者の意欲や発言を促進するようなプログラムがあると、より効果的になります。

皆様の職場でも研修を行う機会には、そのテーマに沿って意見交換を行う演習等の時間を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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