「経営の神様」と言えば松下幸之助氏を思い浮かべる方が大半と思うが、経済人とのTVトーク・ショーの『カンブリア宮殿300回スペシャル』では、稲盛和夫氏が「経営の神様」として取り上げられていた。
稲盛和夫氏は、京セラを一代で一兆円企業に育て、第二電電(現KDDI)を設立し、最近ではJALを再建したことでつとに有名であるが、若手経営者の勉強会である盛和塾を開塾し、中小・中堅企業の経営者に対して経営者の心構えから経営の実践まで、お互いに真剣にぶつかり合い、魂の火花を散らす人生道場の場、塾生同士の切磋琢磨の場を主宰していることも評価されての「経営の神様」だと思う。
実は私も「盛和塾山形」の一員なのだが、盛和塾は、日本国内に留まらずアメリカ、ブラジル、台湾、中国でも開塾しており、全世界70塾以上、会員8,000名を超える一大勢力となっている。
会員は、毎月、地区の盛和塾で実施されるDVD(稲盛塾長の講話)研修を行うとともに、年に1回開かれる世界大会(今年は4,345名が参加)及び全国各地の盛和塾で開催される塾長例会に参加することができる。
世界大会では8名の方が経営体験発表を行い、稲盛塾長からその発表に対して自身の実体験を交えたコメントをいただき、最終日には最優秀発表者が選ばれ表彰される。
今年の世界大会の最優秀経営体験発表者は、小豆島でオリーブ及びかんきつ類を栽培加工販売している49歳の社長だった。16年前に小豆島に帰ってきて両親と自分とパートさんの4名でスタート。作付け面積を拡大し大勢の人を雇うものの、リーダーとしてのあり方に悩み、悶々としているとき稲盛塾長の著書「生き方」に出会い自分の人生が大きく変わったという。人生の意義、仕事の意義を知り、魂を磨く生き方をしなければと思うに至り、まだまだ未熟な経営者だが、現在の売上高は40億円、経常利益6億円、社員126名になったという。
又、各塾持ち回りで年10回ほど開かれる塾長例会では、稲盛塾長との経営問答があり、生きた経営学を学ぶことができる。「ここ半年で4名の社員が辞めてしまいました。社員には日頃から気を使ってきたのですが、私はどうすればいいのでしょうか?」といった質問に対し、稲盛塾長は「経営者にとって頼りにしていた社員に辞められるほどつらいことはない。しかし、中小企業では社長であるあなたしか会社の魅力を出せないのです。『この社長はいつか私に夢を与えてくれる』と部下に惚れさせないといかんのです」と叱咤激励する。
今、盛和塾山形は限定30名の塾生追加募集を行っている。心を高め、経営を伸ばしたいと思われる方は是非応募して頂きたいとお勧めする次第である。