美しい心と美しい地球(71-1)

美しい心と美しい地球

 

先日、大学時代の恩師 山桝忠恕先生を偲ぶ「山桝会」が開催された。亡くなられて既に26年が経っているのに毎年欠かさず開催され、今年も140名を超えるゼミの卒業生が集まり、山桝先生の教えを反芻し、厳しさと真っすぐな心と先生の熱意に浸り、心の洗濯をした。

山桝ゼミは“殺人ゼミ”と呼ばれ、毎週毎週課題が出されるのは勿論、夏の合宿ではまる2日間連続の徹夜を強行させられる。「徹夜をしたからといって 君達の能力が伸びるとは思っていません。社会に出れば2日間位徹夜をしなければならない時があるのよ。学生の時に経験しておけば人間2日位徹夜しても大丈 夫だと対処できるものよ。」とおっしゃられる。一方、大学ではいつも授業が始まる30分前から教室に入られ、学生が来るのを待っておられた。質問に来る学 生がいるかもしれないからという。山桝先生は誠意の塊でもあった。

山桝先生は、公認会計士試験委員、企業会計審議会委員等の要職にもつかれていたが、学問の上では「本来、どうあるはずなのか」ということを考えの主軸においておられた。「どうあるべきなのか」ではその人の価値観が入り科学とはいえないというのだ。ましてゼミの演習で「企業会計原則にこう書いてあります。」などと答えようものなら烈火のごとく怒られる。学問上は「企業会計原則も批判の対象」なのだ、本来はどうあるはずなのだ?と。

福島第一原発の問題を、山桝先生ならどう考えるのだろう。「原子力発電はどうあるべき」なのだろうか。いや、本来、「人間の文明はどうあるはず」なのだろうか。人間は、このかけがえのない地球をどう扱っていくつもりなのだろう。

藤波心という中2のアイドルが自身のブログに脱原発の意見を書いている。

 >微量とはいえ空気中の放射性物質を吸い続け、微量とはいえ、汚染された野菜を食べ続け、
 >微量とはいえ、汚染された水を採り続ければ……影響があることくらい、
 >バカな中学2年の私でも分かるのに!!    ・・・・・(省略)・・・・・・・
 >じゃあ、原発廃止したら、足らない分の電力はどうするんだって、言うけど、
 >それの答えは簡単。今の原子力に頼らない電力の生活に
 >社会全体のシステムを変えればいいのです

山桝先生は「暑いから、寒いからと言って勉強が出来ないようではどうするんですか。夏は暑いことに、冬は寒いことに決まっているのです。」と冷暖房設備のない書斎で仕事をされていた。

われわれ人間も、欲望を無限に貪るのではなく、真剣に「足るを知る」ことを実践しなければならない時代に来ているのだと思う。かけがえのない美しい地球を守るために。
 

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